天理(奈良)が長崎北陽台との競り合いを制し、18大会ぶりの4強を決めた。

今大会初先発のWTB内田旬(1年)が躍動した。 先制を許し3-5で迎えた後半12分、中央ラックから右へ展開。最後はWTB田仲功栄(3年)から受けたパスを離さず、そのまま右隅に飛びこむ逆転トライ。内田旬は「走っている時に自分しかないなと思って飛び込んでトライしました」とチーム唯一となったトライを振り返った。

これまで出場していた同級生のWTB飛峪(とびさこ)龍馬(1年)は3回戦の石見智翠館戦(島根)の試合中、脳振とうで負傷退場。代わりに出場したのが内田旬だった。

「自分が次の試合でも出されるなと思っていた。心持ちはありました」。

飛峪からも試合前日に「俺のことは気にしなくていいからやってくれ」とラインを通じてエールを受け、友の思いも背負った花園初先発で結果を残した。

松隈孝照監督(50)も「この子は体も強いですし、タックル自体は上級生に全然引けをとらない。今日は良い所が出た」と目を細めた。

同校が準優勝を果たした04年度大会以来の4強入り。当時まだ生まれていなかった1年生WTBは「1年生ですけど、こんな良い環境で、こんな良い大会でできるのがうれしい」と聖地の印象を語った。

準々決勝後の抽選の結果、次戦の相手は報徳学園(兵庫)に決まった。練習試合などで度々対戦する同校に対し松隈監督は「ボールをすごく動かすチーム」と印象を語り「ここまで来られたらどこが相手でも一緒」と気合十分。

勢いに乗り、まずは18年ぶりの決勝を目指す。【波部俊之介】

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