クラブ史上最大級の大型補強成功か-。

バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)群馬クレインサンダーズが、辻直人(33)とコー・フリッピン(27)の日本代表経験選手2人を獲得濃厚であることが、日刊スポーツの取材で7日分かった。

辻は今季広島ドラゴンフライズで主将を務め、得点源のシューティングガードとして1試合平均9・8得点を挙げるなど、チームを初めてプレーオフのチャンピオンシップ(CS)進出に導いた。

米国出身で日本国籍を持つガードのフリッピンは今季、琉球ゴールデンキングスのリーグ初優勝に貢献。CS決勝第2戦では途中出場で大活躍し、決勝2試合を通じたMVPに選出された。

2選手ともすでに前所属先からの退団が発表されている。

今季がB1昇格2季目だった群馬は、レギュラーシーズン29勝31敗の成績で東地区8チーム中5位。目標としていたCS進出は逃したものの、一定の手応えをつかんでシーズンを終えた。

4月には5000人収容可能な新本拠地、オープンハウスアリーナ太田がオープンした。人気と実力を有する2選手が加入すれば、集客面での効果も期待できる。

11年にチームが創設され、当時のプロリーグ、bjリーグに参入。同リーグでは下位に低迷することが多く、Bリーグ創設後も5シーズンは2部(B2)で過ごした。しかし不動産会社のオープンハウスが筆頭株主となった19-20年シーズンを境にチームは変化。初のB1昇格を果たしたあとも、着実に力をつけてきた。弱小クラブから、地域に夢を与える強豪へ。26年開幕の“新B1入り”に向け、その流れを加速させていく。

◆辻直人(つじ・なおと) 1989年(平元)9月8日生まれ、大阪府出身。京都・洛南高から青山学院大を経て12年に東芝(現B1川崎ブレイブサンダース)加入。21年にB1広島ドラゴンフライズに移籍した。日本代表として16年リオデジャネイロ五輪世界最終予選や、18~19年中国W杯予選などに選出された。趣味は競馬とゴルフ。185センチ、82キロ。

◆コー・フリッピン 1996年(平8)5月20日米国生まれ。母は沖縄県出身で、自身も日本国籍を持つ。米ドエイン大から日本に渡り、B1千葉ジェッツ加入。19年新人賞ベストファイブ受賞。21年琉球ゴールデンキングスに移籍し、22-23年シーズンはチャンピオンシップ決勝MVPに選出された。日本代表としては22年W杯アジア地区予選メンバーなどに選出。188センチ、75キロ。

◆群馬クレインサンダーズ 11年創設。ホームタウンは群馬県太田市。クレインは「鶴」、サンダーは「雷」を意味する。公式マスコットは、鶴をモチーフにした「さんだくん」。阿久沢毅球団社長は元高校球児で、桐生高の主砲として78年春の甲子園大会に出場。王貞治以来となる2試合連続本塁打を放ち、「王2世」と呼ばれた。