昨季のグランプリ(GP)シリーズ銅メダル2個の住吉りをん(19=オリエンタルバイオ/明治大)がフリーに臨み、126・99点で1位となった。

4回転トーループで着氷が乱れたが、フリップ-トーループの連続3回転ジャンプや3本の3回転ジャンプを着氷させた。「4回転もここ1週間は全く跳んでいなかったんですけど、いい出来で跳ぶことができたので、全体的には良かったかな」と引き締まった表情でうなずいた。

今季は「力強さ」がテーマ。「スケーティングの基礎の部分が力強くなるように練習している」と新シーズンへ臨んでいる。

フリーでは昨季と同様の「Enchantress」を舞う。今年2月には、振付師のシェイリーン・ボーンさん(カナダ)のもとで2週間ほど過ごし、コレオシークエンスに磨きをかけた。

フリーのプログラムを継続したのは「自分の理想型、完成形には届いていない」と感じたからだ。見る人の心へ届く演技を追求する。

「ステップでは、人生での苦難だったり、試練だったりが立ちはだかるけれど、自分の内から出てくる声のようなものを信じていくことで、最終的に鳥が羽ばたいていく様子を表している。そういうストーリー性を自分の心から表せるように。それが理想かなと思います」

思い描く姿を実現するためにも「1歩の力強さ、1歩でどれだけ滑るか」に注力する。

その先に見据えるのは、GPシリーズ第3戦フランス杯(11月3~5日)と第5戦フィンランド大会(11月17~19日)での活躍、そして昨年は14位だった全日本選手権での表彰台入りだ。「昨年より良い成績を残すことと、全日本で昨年の悔しさを晴らして表彰台に乗りたいです」。目標達成へ、強さを身につけていく。【藤塚大輔】