昨季のグランプリ(GP)シリーズ銅メダル2個の住吉りをん(20=オリエンタルバイオ/明治大)が、ショートプログラム3位からの逆転優勝を飾った。

フリートップ140・47点で、合計も自身初の大台となる206・11点を記録。「ちゃんとやれば200点がでることがわかったので自信にしたい」と、胸を張った。

演技後の拍手喝采に、満面の笑みで応えた。冒頭のダブルアクセル(2回転半)-3回転トーループに成功すると、その後も3回転サルコウ、トーループ-ループの連続2回転のコンビネーションジャンプも危なげなく決めた。ショートプログラムのミスを取り返す堂々の演技。「昨シーズンは思うような演技ができず、晴れやかな気持ちであいさつできなかった。この3戦はうれしい気持ちで拍手に応えることができて、本当にうれしいという気持ちでいっぱい」と振り返った。

それでも、自己採点は「70点」と辛口だった。2本目に組んだ4回転トーループは回転不足。安藤美姫、紀平梨花、島田麻央に続く日本人4人目の快挙とはならならず、「惜しかった」と唇をかんだ。

練習では4回転単発での成功率は高いものの、曲をかけると率が低下。完成度は「5割くらいかな」。それでも「いちかばちかではなくて、こうすればできるという感覚は出てきている」と手応えもある。「歴史に残ることを目指したい」と、偉業達成への意欲はたっぷりだ。

今季は、木下トロフィー争奪大会(11、12日)、げんさんサマーカップ(13、14日)に出場。早くも3戦目を終えたが、「メンタルの成長を感じる」と快調だ。「完璧なショート、完璧な4回転を決める。次のブロックまで1カ月間まで考えて、成長した姿を見せる」と、意気込んでいた。