9年連続となる全日本選手権(12月、長野)出場権獲得を目指す本田真凜(22=JAL)が51・84点で4位発進した。フリーは4日。上位5人が全日本選手権へ進む。

SP後の主な一問一答は以下の通り。

-演技が終わった直後、頭をポンとたたいていました

本田 ジャンプの成功率が上がっていて、最後のジャンプは、わざわざ自分から手を(氷に)つきにいったぐらい(の感覚になるミス)。それがすごく悔しいですし「もったいない」と感じました。ただ、ちょっと時間がたってみると、最近の試合の中では、のびのびと、1つ1つ落ち着いて演技できたと思います。

-12位通過だった9月の東京選手権からは、どこに重点を置いてきましたか

本田 スケートをやってきた中でもブロック(東京選手権)から東日本まで、たくさん練習をしてきて(SPもフリーもジャンプ)構成を上げています。その中で明日も、今日以上にいい演技がしたいです。

-全日本選手権の切符は上位5人。どのような心境でフリーに向かいますか

本田 ショート(SP)が終わった時点で、5人に入れる位置にいることが、今の時点では大事かなと思っています。フリーの方がショートより自信を持っている。例年に比べても(全日本切符が)5人は少ないけれど、自分の力を発揮できれば「絶対にいける」と思っています。

-大学4年生で臨む全日本選手権への道は、これまでと心境に違いがありますか

本田 今まで小学校4年生の野辺山(全国有望新人発掘合宿)から一緒にやってきた選手のみんなと「もしかしたら今日や明日で、現役という部分で(競演するのが)最後なんじゃないか」と話したりする年齢になりました。お兄ちゃん(兄太一さん)の世代が引退する時に、自分自身は実感がなかったけれど、今大会は特にそういう気持ちが強いです。今までやってきたことを出し切れるように、緊張以上に楽しく、後悔のないように。全部失敗しても「良かった」と思える演技をしようと思っています。

-東京選手権からの仕上がりはいかがですか

本田 東日本は1年の中でも一番緊張する大会。1カ月前から夢に出てきたり、練習で調子が良くなかったら試合が近づくのが怖くなります。今日も自分の演技前はむちゃくちゃ緊張したけれど、6分間(練習)、朝の公式練習でもミスなく挑んだジャンプは、全部跳べるぐらいの状態までもってこられています。その中で「(仮に)全部失敗しても『悔しい』とすら思えないんじゃないか」というぐらい練習がいい状態です。今日は最低限はできたんじゃないかなと思います。

-滑っている最中はどのようなことを考えていましたか

本田 試合との向き合い方で今日もすごく緊張したけれど、ジャンプの前に注意点とか、自分が気を付けているところを口ずさみながら、自分と話しながら緊張感をまぎらわせてやっていました。「それがいい方向に転んだんじゃないかな」と思います。最後のジャンプで緊張して(氷に)手をついてしまったのは、明日、改善していきたいです。今回は青森の八戸で遠い場所だと思うんですけれど、練習、コールされた時、終わった後と、たくさんの方が自分のバナーを振ってくださって、歓声をたくさんいただきました。いい意味で試合という感じじゃなく「お客さんに楽しんでもらえるように」と考えて滑ることができたと思います。

-大学4年生。学業との両立はいかがですか

本田 今は卒論の時期で、3万字書かないといけないです。それも両立しながらやっていますし、4年生で大学もラストスパート。全てを楽しんでいます。大学4年生は、いろいろな意味で区切りの年。1つ1つ、毎日、今まで当たり前のように過ごしてきたスケート、学業の日々を「大変だな」って思うより、大切にしたい。今しかできないので、そう考えています。