ショートプログラム(SP)2位発進の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)は総合2位で大会を終え、6度目のGPファイナル(12月7~10日、中国・北京)出場を決めた。

フリーでは1位の186・35点、合計286・55点まで積み上げたが、演技直後のテレビインタビューでは「本当に今の気持ちとしては、いらんことしゃべりそうなんで。ほんまに今は黙って帰ろうと思います」と自分を抑えるようにほほ笑む姿があった。

その後の表彰式を終えて取材エリアに現れた宇野は、言葉を丁寧に選びながら、批判したい訳ではないことを何度も伝えながら、思いを述べた。

「ほんとに言えることっていうのは、今日のジャンプ以上っていうのを練習でもできる気はしないので、もしこれが今後の基準になること全然オッケーだと思いますし、ただこの基準になるなら、ここが僕の限界でこれ以上に先はないなっていうのは思わされる試合だったなと思います」。

言及したのは4度の4回転ジャンプだった。特に冒頭からのループとフリップは「きれいかなと思った」「今日のジャンプ以上っていうのを練習でもできる気はしない」という手応えがありながら、どちらも出来栄え点が減点される回転不足を示す「q」マークがついた。トーループ2本も同様で、4本中4本に「q」。この感触と判定のずれを、消化しきれなかった。

今季は「自分がもう1度みたい演技」を目指し、順位や得点よりも上位のテーマに据える。その中で試合に出る意味も模索している最中だけに、「自分の気持ちを言うならば、どうしても試合に出るっていう意味っていうのをちょっと揺らがせられるような試合だったなっていうのは、僕の意見ですけど。ほんとに僕の意見だから、点数が、ルールがとは言うつもりはないです」と思案した。

目標の1つでもあるランビエル・コーチを喜ばせることは達成した。判定がどうであれ、恩師は誰よりもたたえてくれた。「ステファンもすごい喜んでましたし、いい演技だったなって思います」。自分でも価値基準を確認するようにうなずいた。

 

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