バスケットの神様が降りてきた。

宇都宮ブレックスが川崎ブレイブサンダースとの2日連続の激戦を制した。

第4クオーター(Q)残り20秒を切って74-72、リードはわずかに2点。攻撃権を持つ川崎が3Pシュートを決めたら逆転、2Pなら2日連続の延長戦濃厚の状況だった。

川崎の篠山竜青が司令塔の藤井祐眞にバックパスを出す…そこに竹内公輔がいた。土壇場でのスチール。藤井はたまらず竹内をファウルで止め、竹内が冷静にフリースロー2本を決めて勝負を決めた。

なぜ、あそこに竹内はいたのか。

「あの直前に(相手ゴール下で)リバウンドを取りにいって、足を滑らせて転んでしまった。守備に戻るに遅れてしまった」

急いで守備に戻る途中に、相手からのパスが飛んできた。佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチは「バスケの神様がいた」と表現。竹内は「あそこで俺がスチールできるなんて…。運がありますね」と笑った。

しかし、その運を引き込んだのは間違いなく竹内の力だった。ギャビン・エドワーズが負傷で戦列離脱後、5試合続けて先発出場。来月39歳になるベテランが、前日9日はチーム最長の38分23秒プレーし、この日も34分21秒、コートを駆け回った。

「竜青(篠山)ちゃんとみとけよ、と思いました。でも、最後までリバウンドに飛び込んだから、ああいうプレーが生まれたとも言えるんじゃないかな」

4得点6リバウンドの数字以上に、勝利への貢献度は大だった。

遠藤祐亮も激闘を制したヒーローの1人だ。第1Qに3本の3Pシュートを決めて攻撃のリズムをつくり、ゲーム全体を通して激しい守備で川崎の攻撃の芽を摘む。体調不良で欠場した鵤誠司をカバーして余りある活躍だった。

「選手が欠けているなかで2連勝できたのは大きい。コートで選手同士のコミュニケーションがよくとれているし、それが接戦を勝てた要因の1つ」

ピンチにチームがまとまったことが、勝負強さにつながったと振り返った。

「公輔はいつも、チームのために自分がどうすればいいのか考えてくれている。遠藤もそう」。2人をほめた佐々ヘッドコーチは、こう語気を強めた。

「シーズン中に川崎に2連勝できたのは大きい」

チャンピオンシップで川崎と激突する可能性は高い。日本一を争う相手に「今年の宇都宮は強い」というイメージを植え付けられた。連勝以上の価値がある2日間だった。【沢田啓太郎】