桐蔭学園(神奈川)が前年度覇者の東福岡との接戦を制し、春冬2冠を達成した。“東西横綱対決”と評された一戦、前半はWTB田中健想(3年)のトライなどでリード。しかし、後半に3点差まで追い上げられ、最後は自陣ゴール前まで攻め込まれたが、守り切って4度目の日本一に輝いた。前回大会で花園に来られなかった悔しさをバネに、今季15人制で全勝の強さを発揮し、頂点に立った。
◇ ◇
4度目の優勝を果たした藤原秀之監督は、4度胴上げされた後に「桐蔭学園の歴史をつくってくれた」と成長した選手たちをたたえた。
藤原監督がラグビーと出会ったのは中学時代だった。元々野球少年だったが「やんちゃな生徒が多かった」という野球部が中2で廃部に追い込まれた。その後はバスケ部に誘われたり、卓球部に所属していたが「力を持て余していた」。悶々とする日々の中で、担任から教えられたのが、ラグビーだった。テレビで大東大一の試合を見て、進学を決めた。入部当初は「だまされた。なんてきついクラブなんだろう」と退部も考えたというが「芯を通そう」と続け、全国制覇まで成し遂げた。
日体大卒業後は指導者の道へ。90年に桐蔭学園コーチに就任し、02年から監督を務めてきた。指導者として最もやりがいを感じるのは「できなかったことを、できるようになっているのを見た時」。その思いで20年以上桐蔭学園を率いてきた。
名将と呼ばれる域に達しながらも、現状維持には満足しない性分。「教員は狭い世界」と考え、積極的に社会に出たOBと会話する。「うちには焼き鳥屋でミシュランを取ったOBがいるし、銀行の常務もいる。いろんな人種がいるからおもしろい」。ビジネスマンや職人とのコミュニケーションから刺激を受け、自身をアップデートしてきた。練習メニューを工夫したり、30分以内の補食摂取を徹底するなど、新たに取り入れることも多い。
座右の銘は「意志あるところに必ず道あり」。その道はこれからも続いていく。


