昨年10月のグランプリ(GP)シリーズ・スケートカナダ3位の松生理乃(19=愛知・中京大)が、合計202・32点で2位に入った。

ショートプログラム(SP)2位発進の勢いそのままに、フリーでも全体2位の132・95点をマーク。団体でも3位に入り「団体でも個人でも、表彰台に乗ることができてすごくうれしいです」と笑顔で声を弾ませた。

冒頭の3回転ループを決めると、2本目に組み込んだ3回転ルッツ-3回転トーループ-2回転トーループの3連続ジャンプも成功。連動的で軽やかな滑りでも会場を魅了し、演技を終えるとファンから大きな歓声を浴びた。「ショートもフリーもミスのない演技をそろえることができたのは、すごく久しぶりでした。シーズンが終盤に差し掛かって、良い演技ができてうれしいです」と充実感を漂わせた。

今季は前半シーズンから好調を維持。「ずっと調子は良かった」と振り返るが、昨年末の全日本選手権ではジャンプの転倒などが響き、17位となった。

失意を味わった年の瀬。全日本後の初めての練習では、幼馴染で同学年の横井きな結と2人きりになった。初の全日本で14位と躍動した友人は、その結果に満足することなく、直向きに練習に励んでいた。その姿を今の自分と重ね合わせた。

「きんきん(横井の愛称)がすごく頑張っていて。正直、あまりやる気がなかったんですけど、その姿を見て『自分もやらなきゃ』って思って。そこからちょっとずつ練習量も増えていったかなと思います」

それから約1カ月。仲間の存在もあり、今大会での好演につながった。「きんきんのおかげでこれからの試合も頑張れると思えたので、すごくうれしい気持ちです」。感謝の言葉を口にし、澄んだ表情を浮かべた。