ラグビーの高校日本代表に選出された静岡聖光学院のWTB/FB小野沢謙真(3年)が、特訓の成果をイタリアにぶつける。

12日は横浜市の関東学院大で公開された直前合宿に参加。午後は屋内でチーム防御などを確認し「大きくて強い相手に対して、低く、速く入らないといけない。WTBはディフェンスのコントロールが大事。前の合宿に比べて(全体的に)良くなってきていると思います」と手応えを示した。

父の宏時さん(45)は現役時代にサントリー(現東京SG)などで活躍し、日本代表としてW杯3大会に出場したレジェンド。年の瀬の全国高校大会(花園)で敗退後も、静岡市の自宅近くで父と特訓をしてきたという。幅5メートルで向き合い、攻撃と防御で10本ずつ1対1の勝負をしても「20本全部負けます。全部止められて、全部抜けない」と宏時さんの力は健在。高校日本代表入り決定後も祝福はほどほどに「体の使い方を学びました。絡まれても抜ききる力。コンタクトをしながら前へ出る部分です」と世界を意識しながらレベルアップを図ってきた。

チームは14日に日本を出発し、イタリアでU18(18歳以下)同国代表と練習試合1試合、U19同国代表と2試合を戦う。卒業後は慶大進学が決まっており「絶対に今後のキャリアにつながる大きな1歩になる。大事に時間を過ごしたい」ときっぱり。父が出場した07年W杯フランス大会時は2歳。現地で応援した記憶はおぼろげだが、同じ欧州の地で桜のエンブレムを胸に全力を尽くす。【松本航】