2季連続で上位4チームによるプレーオフ(PO)進出を狙う横浜キヤノンイーグルスが、暫定4位に浮上した。

リコーブラックラムズ東京との“事務機ダービー”を31-12で制し、3トライ差をつけてボーナス勝ち点も獲得。前節まで4位の神戸を勝ち点4上回り、7日に3位東京SG戦(神戸ユニバー)を控えるライバルに重圧をかけた。首位の埼玉は相模原を53-12で圧倒し、開幕12連勝。静岡は三重を43-14、トヨタは花園を47-30で下した。

横浜は勝負のあやを見逃さなかった。19-0の後半18分、ハイパントのこぼれ球に途中出場ハラシリが反応。タックルを受けながらWTB竹沢へつなぎ、走り込んだCTB梶村が一気に4トライ目を奪った。日本代表エディー・ジョーンズ監督が見守る前で、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた梶村は「こぼれ球へ反応する準備が生んだ。取らないといけない勝ち点5はうれしい」。計5トライを奪い、3トライ差以上の勝利で得られるボーナス点1を加えた勝ち点5をつかんだ。

母体がキヤノンの横浜に対し、相手はリコー。前身のトップリーグ時代からしのぎを削った“事務機ダービー”は、PO進出へその「5点」が求められた。反則数19(相手は12)と流れを支配できなくても、目標は達成。故障で長期離脱していた23年W杯南アフリカ代表CTBクリエルも観客席から声援を送り、沢木監督は「そろそろ復帰できる」と明るい材料がある。残すは4試合。昨季3位の底力で、POに滑り込む。【松本航】