山形ワイヴァンズが新潟アルビレックスBBに84-59で勝利し、3季ぶり2度目のプレーオフ(PO)出場を決めた。

10試合連続の先発出場となったPG岡島和真(20)が両軍日本人最多の17得点をマーク。若き司令塔を中心に第3クオーター(Q)から第4Qにかけて19-0のランを作るなど、新潟を圧倒した。またこの日は、同敷地内にあるNDソフトスタジアム山形でJ2山形も勝利。同敷地内での同日開催勝利はBリーグ発足以降では、21年10月10日以来910日ぶり5度目の快挙となった。

第1戦の反省を生かし、序盤から高い強度で、新潟を攻め立てた。第1戦では試合の入りが緩く、新潟にリードを許す場面もあったが、この日は開始1分38秒で7-0のランをつくり、早々に主導権を握った。

試合中の2つの報告が、山形をさらに加速させた。1つ目は前半に伝えられたJ2山形の勝利。目の前のスタジアムで2-0の快勝を決められたとあってはバスケも黙っていられない、と言わんばかりに連続得点で新潟を突き放しにかかり、前半を46-32で終えた。

2つ目は、同日に行われていた静岡-青森の結果。青森が勝利したことにより、「この試合に勝てばPO進出決定」とハーフタイムに伝えられたことで、後半からブースターの応援はさらに熱を帯びた。第3Qの終わりから第4Qにかけては、5本連続で3点シュート(3P)が決まるなど、山形の勢いが止まることはなかった。岡島は「(第1Qの)最初のランから相手にタイムアウトを取らせた。ゲームの入りとしてすごく評価できる」。振り返ってみれば、第1Qの入りから1度もリードを譲らない圧勝だった。

苦しい時期もあった。チームは2、3月に7連敗。日本人選手と外国籍選手との間でコミュニケーションが減っていた。岡島は「それぞれが思う部分を出せなかった」と振り返る。しかし3月3日の越谷戦で連敗を脱し、そこからコミュニケーションが増え始めた。「特に試合中に、外国籍がエナジーを出すと、日本人が『負けていられない』とエナジーを出してくれる」。この日は日本人、外国籍問わずボールがよく回り、出場した12人のうち11人が得点した。「やっぱりバスケットは楽しむことが一番大事。全体が笑顔になるようなバスケットができてよかった」。

3季ぶりのPOに、選手はもちろんブースターも大喜び。会場いっぱいに笑顔があふれた。今季も残り4戦。この笑顔を力に、さらに勝利を積み重ねてPOへ挑む。【濱本神威】

 

○…同敷地内で行われた2試合は、サッカーが午後2時開始で、バスケは午後4時開始。その試合時間のずれを生かし、J2山形のチケットを提示すれば、B2山形の2階自由席が当日価格2500円から500円となる企画を開催した。同敷地内のNDソフトスタジアム山形から、サッカーのユニホームを着たサポーターが体育館へと足を運ぶ姿が見られ、山形のスポーツが勝利に盛り上がった1日となった。