チーム青森への刺客は無名の15歳だった。富士急行は9日、山梨・富士吉田市で、カーリングの「チームフジヤマ」発足の会見を開催。4人のメンバーの1人に、全国大会未経験の駿台甲府中3年、小穴桃里(こあな・とうり)が抜てきされた。小穴は「世界に行くには、青森に勝たないと」と、打倒青森を宣言だ。

 小穴だけ、初々しい制服で登場だ。チームのGMに就任した名解説で有名な小林宏氏(63)の秘蔵っ子。小林GMが創設した山中湖メープルカーリングクラブのジュニアチームの一員で、サードで副主将を務めた。得意なのは「テーク系(自分のストーンで相手をはじき出す)のショットかな」。小林GMも「カーリングが大好きな子。35歳まで行けるよ」と将来性に期待した。

 小林GMが、5月ごろに、山梨県カーリング協会の役員を務める父昭彦さん(48)にチーム入りを打診。小穴は、7月にチーム入りを聞かされた。「うれしかったけど、話が大きすぎて実感がわかなくて」。ほおを真っ赤にして照れた。

 他のメンバーとは、8日に顔を合わせた。「実績を残している人ばかり。一緒にできるかな」と、少し不安はある。しかし、初めての練習では、皆で話し合い、最初に投げるリードのポジションを請け負った。「練習しないと。大事なポジション」と気合を入れた。

 目標は「トップ・オブ・ザ・ワールド!」(小林GM)だ。ソチ五輪まで4年。小林GMは「厚い壁」と言うが、トリノ、バンクーバー両五輪代表のチーム青森を倒さないと世界はない。「まだ始まったばかり。早く青森に勝てるチームになりたい」。小穴の目が輝いた。【吉松忠弘】