史上最大の混戦!

 「第55回全日本実業団対抗駅伝(ニューイヤー駅伝)」が2011年1月1日、前橋市の群馬県庁前を発着点に行われる。地区予選を勝ち抜いた精鋭37チームが、県内主要都市を巡る7区間100キロで激突、駅伝日本一を目指す。新人の成長が目立つトヨタ自動車が悲願の初優勝へ向け出陣。最多優勝を誇る旭化成、21世紀駅伝王者のコニカミノルタに加え、前回優勝の日清食品グループ、東日本予選優勝のHonda、2位のカネボウ、マラソンの中国電力、調整力に優れた富士通が“8強”を形成。序盤から混戦必至で目が離せない。

 トヨタ自動車が新人の成長とベテランの充実で悲願の初優勝を狙う。新人では駒大卒の高林祐介(23)に期待が集まる。10月の1万メートルでトップ選手の証である27分台をマーク。30歳の尾田賢典も自身初の27分台で高林に先着、先輩の意地を見せた。同じく36歳のベテラン浜野健はマイペースの調整ながら、前回3区で区間2位と好走、必ず本番に合わせてくる。新旧主力の動向が初Vのカギを握る。

 高卒新人の成長もV候補に推される一因。宮脇千博(19)が1万メートルで28分20秒台を2度、松本賢太(19)も28分30秒台を出している。10代選手の起用には不安もつきまとうが、佐藤敏信監督(48)は「2人とも自ら仕掛けるレースができる」とタフな選手であることを強調、期待を寄せる。ジョン・ツォー(25)も外国人トップクラスで、インターナショナル区間も不安はない。

 コニカミノルタのコーチから2年前に転身した佐藤監督は「抜け出た戦力とは思いませんが、コニカミノルタや旭化成に“並べた”とは思っています。しっかり調整すればチャンスはある。優勝を意識していきます」と明言。優勝経験チームを相手に互角以上に戦う自信を示唆した。