ラグビー日本代表で売り出し中のSH茂野海人(28=トヨタ自動車)が地元大阪で信頼を強固にする。

8月3日のパシフィック・ネーションズ杯トンガ戦(花園)に向け、7月31日は堺市内で調整。和歌山に隣接する大阪府岬町生まれは「ワールドカップ(W杯)に向けての階段。1歩1歩上がっていって、W杯で最高のパフォーマンスを出したい」と自身初の関西で臨む代表戦を見据えた。

島根・江の川高(現石見智翠館)進学前まで住んだ大阪に戻り、茂野は「僕の家も南海(電鉄)」と懐かしい景色を眺めた。快勝した前戦のフィジー戦では先発をつかみ、同じSHの流、田中を追う立場から急浮上。強気な仕掛けはチームに新たな刺激を与え、ブラウン・アタックコーチには「茂野は本当に素晴らしいプレーをした。しっかりとアピールし、他の2人に対して自分の力を証明した」と評された。真価が問われるトンガ戦も気合十分だ。

「岬町に帰った時には(出身のラグビー)スクールの子が減っていたり、僕の中学校のラグビー部が休部になっていたりした。もう1度ラグビーを盛り上げるきっかけに僕がなりたい」

家族も駆けつける聖地で、身長170センチの存在価値を輝かせる。【松本航】