八戸学院大(東北・青森)が31-20で北大(北海道)に快勝し、4年ぶり2度目の本大会出場を決めた。序盤に8点を先制されたが、NO8二ツ森颯(3年=三本木農)が3トライを奪う活躍。強力なスクラムを武器にFW戦で試合を優位に運び、計5トライを重ねた。

24日の本大会1回戦(岐阜長良川球技場、午後1時開始)では東海・北陸・中国・四国地区代表と対戦。前回出場時は法大(関東)戦で0-163の大敗を喫しているだけに、全国初勝利の雪辱を期す。

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「シャークス」の愛称を持つ八戸学院大が、サメのごとくボールに食らいつく執念を見せた。ゴール前での相手反則では、スクラムを選択し続けてFWで勝負。前半17分には5メートルスクラムから、そのまま押し込んで二ツ森が中央にトライ。同37分にも二ツ森が再びスクラムトライを決めて逆転し、勢いに乗った。

後半30分には2度インゴールまで侵入もグラウンディング出来なかったが、3度目の正直。スクラムを起点に何度もタックルされても、しっかりとボールを少しずつ前に進め、またも二ツ森が180センチ、101キロの巨体を着地させた。「ハットトリックは、こんな接戦の試合では初めて。うれしいですけれど、自分は最後に抑えただけ。FWみんなで取ったトライです。チーム一丸でやってきた部分が一番出た試合だった」。額に真っ赤な裂傷を作った笑顔がはじけた。

ダブル主将の1人でロック坂本宇大(4年=青森北)は「最初のスクラムを組んで、これは押せると思った」。培ってきた自慢のスクラムを勝利のアイテムに使い続けた。新チーム当初はW杯優勝を遂げた南アフリカなどの低く8人一体となった映像を、みんなで何度も見て頭にたたき込んだ。山下祐史ヘッドコーチ(35)が所属していたトップリーグNECからコーチ陣を招いて熟成。1人1人の姿勢を構築し、前3人と後ろ5人の力が一番伝わるスクラムを完成させた。坂本は「相手が崩れても、自分たちの形は崩さない。今日の勝利は、すごい自信になりました。夏合宿でも関東のチームにスクラムは負けなかったし、笑顔でひたむきにやれば全国でも通用する」と手応えを得た。

14年の初出場時は当時のファーストステージで2戦全敗。左膝靱帯(じんたい)断裂で離脱中のCTB阿部健悟主将(4年=黒沢尻工)も「対策通りに、やりたいことは全部出来たので良かった。本当にみんなに感謝」と本大会に照準を合わせる。全国の強敵にも食らいつく準備は整った。【鎌田直秀】