前年度全国大学選手権準優勝の天理大が、同校史上初の4連覇を決めた。4勝2敗の京産大と戦う最終節(30日、京都・西京極)を残すが、6戦全勝で11度目の頂点に立った。小松節夫監督(56)は「初めてのことなので良かったです。前半は同志社のプレッシャーでハンドリングエラーが多かったけれど、修正できた」と冷静に振り返った。

王者には余裕があった。序盤から同大のしつこい防御に苦しんだ。前半12分に左サイドを細かくつないで奪ったWTB江本洸志(2年=日本航空石川)の先制トライなど19得点。19-3と絶対的なリードを確保できなかった。それでも後半11分、モールから抜け出したフランカー岡山仙治主将(4年=石見智翠館)がトライ。変幻自在の攻撃でたたみかけ、相手をPG2本の0トライに封じた。

2日前には同校OBで、日本代表としてW杯日本大会8強をつかんだプロップ木津悠輔(23=トヨタ自動車)が練習場を訪問。W杯の試合出場はかなわなかったが、対戦相手の戦術をコピーするなど、裏方としてチームに貢献した経験談を聞いた。小松監督は「やっぱり、当事者の話は重みが違う」。約170人の部員は、試合メンバー以外の役割に対する意識を高めた。岡山も「同じメンバーというのを意識できた」と先輩からの学びに感謝した。

1月12日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた全国大学選手権決勝では、明大に17-22で敗れた。下級生から試合に出場してきた岡山は「最後にいい思いをしてほしかった」と1学年上の先輩たちを見つめた。初めての日本一へ、関西制覇は通過点に過ぎない。