2月に引退した春日山親方(35=元前頭浜錦)の断髪式が28日、両国国技館で行われた。日大同期の十両高見盛(36=東関)ら約200人がはさみを入れ、日大相撲部の先輩で現役時代の師匠・追手風親方(元前頭大翔山)がとめばさみを入れた。涙はなく、まげに別れを告げた春日野親方は「現役時代はつらいことばかりだった。三段目で負け越した時には、もう引退かと思ったが、自分の中でまだやれるという気持ちが残っていた」と振り返った。

 99年に幕下60枚目付け出しで初土俵を踏み、8場所で十両に昇進。その後、前頭11枚目まで出世したが、右膝のケガもあり03年秋場所に幕下に陥落。その後十両に復帰するも、05年初場所に再び幕下に陥落すると6年半に渡り幕下生活。昨年夏場所に再度十両に復帰する不屈の精神力を見せた。「高見盛からはさみを入れてもらい『お疲れさん』と言われて、ありがたい気持ちがあった」と笑顔を見せた。部屋を継いで約半年が経った。秋場所中には先代春日山の雷親方が退職したが「ここまで弟子を育ててくれたのは雷親方」と感謝は忘れなかった。