<バレーボール:全国高校選抜優勝大会・大和南2-0静岡市商>◇初日◇20日◇男女1回戦◇東京・国立代々木競技場

 3年ぶり14回目の出場の静岡市商(静岡)が、0-2で大和南(神奈川)に完敗した。立ち上がりはセンターやライトを効果的に使った攻撃でリードしたが、エースの小林茜主将(2年)が後衛に回ったところで、まさかの連続11失点で第1セットは14-25。そのまま第2セットも16-25で押し切られ、99年以来10年ぶりの「全国1勝」を逃した。男子の清水商(静岡)は21日の2回戦で、清風(大阪)と対戦する。

 静岡市商の3年ぶりの「春高」は、わずか44分で幕を閉じた。勝負を決める大和南の豪快なスパイクがコートに突き刺さると、選手たちはぼうぜんと立ちつくした。涙はなかった。実力を出し切れぬままの完敗に「全国に来るといつもこんな思いですね。力はないけど頑張った。でも、もうちょっとやりようがあった」と荒木芳則監督(46)が唇をかんだ。

 10年ぶりの勝利を目指し、レフトの小林主将頼みだったこれまでの攻撃を修正。センターの富田あさ美(2年)やライトの海野智紗乃(2年)にもボールを回し、序盤は優位に試合を進めた。

 ところが、8-5とリードした後、小林が後衛に回るローテーションの時の「弱点」を試合巧者の相手に見透かされた。小林がバックアタックに失敗すると、その後はライトからの単調な攻めを完ぺきに読み切られ、何と11連続失点。試合の流れを明け渡した。

 試合後は、小林主将の反省の弁が止まらなかった。「夢にまで見た春高だったのに…。今までの自分たちは甘かった。このままじゃ全国では勝てません。頭を切り替えて、もう1度やり直します」。早くも全国総体の舞台でのリベンジを誓った。【大石健司】