<東都大学野球>◇第7週2日目◇21日◇神宮

 東洋大が青学大にサヨナラ勝ちし、最下位転落のピンチで踏みとどまった。延長11回裏、上原悠希内野手(2年=帝京)が本塁打を放ち、4-3で勝利を決めた。連敗は7で止めたが、最下位脱出へ負けられない状況は3回戦も続く。優勝の可能性を残す中大は7-1で亜大に雪辱した。連投の沢村拓一投手(3年=佐野日大)が登板した直後の8回に大量点を奪い、同投手は今季4勝目を挙げた。

 5季連続リーグを制した東洋大の強さが土壇場でよみがえった。延長11回裏、上原の打球が右翼席に飛び込んだ。高橋昭雄監督(61)は「野球は何があるか分からん。まだまだ捨てたもんじゃない」と息を弾ませた。

 9回表、青学大に本塁打されて勝ち越しを許した。「あきらめかけた」(同監督)その裏、鈴木大地内野手(2年=桐蔭学園)が同点弾。そして11回、上原が続いた。鈴木大が「当てに行って後悔したくなかった」といえば、上原は「外野手の頭を抜けろと思って走った」と話した。前日、合宿所に戻ったナインは、試合開始時の「整列の練習」に取り組んだ。ベンチ前からダッシュ、大声を張り上げる。9回も繰り返した。上原は「走って声を出す。勝つのが当たり前だったが、原点に戻れた」と話した。ただ、1敗もできない状況は続く。高橋監督は「今日の試合ができれば入れ替え戦でも大丈夫でしょう」。やっと自信も戻ってきた。