来秋ドラフトの目玉、早大・斎藤佑樹投手(3年=早実)が2季ぶりの優勝を目指して31日からの早慶戦に挑む。ドラフト会議から一夜明けた30日、東京・東伏見の早大グラウンドでブルペン入りし、熱のこもった投球練習を行った。斎藤は今季3勝1敗で、10日の立大戦以降、3試合勝利から遠ざかる。早大は勝ち点を挙げれば勝率で明大を上回り、優勝が決まる。慶大が勝ち点を挙げれば、明大の優勝となる。

 29日のドラフト会議を、斎藤はチームメートと一緒にテレビで見守った。西武から5位指名された先輩右腕、松下が涙を流す姿を見つめていた。「最後の方だったので自分もすごいドキドキしてました」と、心が動いた。来秋は自分が主役になる番。その前に「4年生のためにも優勝したい」と誓いを立てた。

 慶大先発はドラフトで指名漏れしたエース中林伸陽投手(4年=慶応)が予想される。悲壮な覚悟で臨んでくる相手に「勝たせないです」と勝利を譲る気はない。斎藤は通算25勝目を挙げた10日の立大戦以降、3試合足踏みが続く。第6週は法大に勝ち点を落とした。「早慶戦で優勝が決められると、プラス思考に切り替えたい」と前を向いた。

 19日の法大戦から10日以上空き、シャドーピッチングなどでフォームを修正した。「自信を持って行ける。自分の中では真っすぐも変化球も感覚が戻ってきた」と手応えがある。応武篤良監督(51)は「大学6シーズン目の最後。今までより力を入れて投げると思う」と期待する。勝ち点を挙げれば優勝、落とせばV逸の早慶戦。勝負どころで結果を出して、ドラフトイヤーへ弾みを付けたい。【前田祐輔】