野球を楽しむことが競技人口の拡大につながる。12月9日、都内の早大安部球場で早大野球部OBらが主催の「Hello WASEDA presents 現役のプロ・アマ選手と一緒に野球あそびをしよう」が開催された。巨人重信慎之介外野手、日本ハム斎藤佑樹投手らが参加。小学校3~6年生が163人(そのうち136人が野球チームに加入していない子ども)とともに楽しく汗を流した。

このプロジェクトは小中学生の野球人口減少に対して野球をベースとした遊びでアプローチするもの。現在、大学野球などの人口は上昇しているが、小中学生の野球人口が減少。親のお茶当番、勝利至上主義で塾通いをしたいのに週末を休むことが許されない。そんなさまざまな要因で野球チームに所属することが家庭の重荷になり、野球を気軽に楽しめない環境を変えるための取り組みだ。

発起人の1人である早大OBの日本ハム大渕隆スカウト部長は「チームに入りたいけど、中途半端なら辞めてくださいとか言われるケースもある。もっと気軽に楽しんだり、塾の合間に野球をやりたいとか、そういうのが許される環境をつくりたい。真剣に野球をやる人以外の踊り場的なものがないといけない」と説明した。

イベントではガチガチの試合ではなく、その場でグループ分けされたチームで手打ち野球などが行われた。遊び場を提供して、その中で野球などの遊びに触れる。シンプルな外遊びの楽しさから、その延長で野球人口の拡大につながったらいいという考えだ。どの子どもたちも笑顔で全力で駆け回った。

日本ハム斎藤が「やらせるとか、野球はこうじゃなきゃいけないというのはない。野球は楽しいんだよと、遊ぶことを感じながらやることが大事」と話せば、巨人重信も「野球人口の前に外で遊ぶ楽しさを知って、その延長で野球をやってもらえれば」とまずは楽しむことが重要だと強調した。

頂点を、プロを目指すだけが野球ではない。もっとライトに遊ぶ「ノビノビ野球」が広がっていく。【巨人担当 島根純】