今夏限りで勇退する横浜高校・渡辺元智監督(70)の最後の夏が終わった。決勝で東海大相模に0-9で敗れ甲子園出場はならなかった。春夏通算5度の甲子園優勝。ソフトバンク松坂をはじめ、プロ野球界に数々の教え子を送り込んできた名将の最後の戦いを追った。

表彰式を終えナインの手で胴上げされる横浜・渡辺監督(撮影・山崎哲司)
表彰式を終えナインの手で胴上げされる横浜・渡辺監督(撮影・山崎哲司)

7月28日・決勝:横浜0-9東海大相模


チーム
相模
横浜

【横】石川、藤平、春日井、北山

【東】小笠原

【本】杉崎3ラン(東)

【試合経過】

東海大相模は1回表、1番千野が左飛。2番宮地が四球。3番杉崎は一ゴロ。一塁走者二封。一塁送球が悪送球になり杉崎が二塁を狙ったがタッチアウトで無得点

横浜は1回裏、1番増田が143キロ打って二直。2番戸堀は146キロ打って二ゴロ。3番三河は150キロ直球空振り三振で無得点

東海大相模は2回表、4番豊田、5番磯網が投ゴロ。6番長倉は左前安打もけん制死で無得点

横浜は1回裏、4番公家が147キロ打って二ゴロ。5番石川は直球打って右前安打。6番小野は送りバントで2死二塁。7番村田は146キロ打って遊ゴロ、無得点

東海大相模は3回表、7番竹内が三ゴロ、8番川地、9番小笠原は三ゴロで無得点

横浜は3回裏、8番矢後が四球。9番山田は送りバントも一塁走者二封、1死一塁。1番増田の時、山田が二盗失敗。増田は死球。2番戸堀は遊ゴロで無得点

東海大相模は4回表、1番千野がスローカーブを打って左二塁打。送って1死三塁。3番杉崎の右前適時打で1点を先制。4番豊田は三塁内野安打で1死一、二塁。5番磯網は右飛で2死一、三塁。6番長倉の右前適時打で2点目、右翼手が後逸する間に一塁走者も生還し3点目を挙げた。7番竹内は中前安打。長倉が二塁から本塁を狙ったが好返球でタッチアウト、4点目は奪えず

横浜は4回裏、3番三河が三ゴロ、4番公家は投ゴロ。5番石川は遊ゴロで無得点

横浜は5回からエース藤平が登板

東海大相模は5回表、8番川地が遊飛。9番小笠原は一ゴロ。1番千野は四球で2死一塁。2番宮地は中前安打で一、二塁。3番杉崎は遊撃内野安打で満塁。4番豊田は142キロ内角高め直球見逃し三振で無得点

横浜は5回裏、6番小野は遊ゴロ。杉崎遊撃手が前進して素晴らしいランニングスローでアウトに。7番村田も遊ゴロ。8番矢後は左飛で無得点

東海大相模は6回表、1死から6番長倉が死球。7番竹内の送りバントは投飛で2死。8番川地は遊ゴロで無得点

横浜は6回裏、9番山田が遊ゴロ。1番増田は内角146キロ見逃し三振。2番戸堀は左前安打(これがチーム2本目)。二盗成功。3番三河は四球で一、二塁。4番公家は遊撃内野安打で2死満塁。5番石川は148キロ直球で追い込まれ最後は127キロのチェンジアップで空振り三振、無得点

東海大相模は7回表、9番小笠原が左中間二塁打。1番千野は三塁前へバント。これが内野安打となり無死一、三塁。2番宮地の中前適時打で4点目。3番杉崎がバックスクリーンへ飛び込む3ランを放ち7-0とした。横浜は3人目の春日井が登板。後続を断つ

横浜は7回裏、6番小野がバント安打で出塁も併殺。2死後、8番矢後が中前安打で出塁も後続なく無得点

東海大相模は8回表、敵失と内野安打で2死一、二塁。2番宮地、3番杉崎の連続適時打で2点を加え9-0。ここで横浜は4人目の北山にスイッチ。その後2死満塁としたが追加点は奪えず

横浜は8回裏、1番増田が遊ゴロ。2番戸堀は三塁線を破る二塁打。3番三河は左前安打で1死一、三塁。しかし4番公家は遊ゴロ併殺打で無得点

東海大相模は9回表、1死から7番竹内が四球。送って2死二塁。しかし9番小笠原は投ゴロで無得点

横浜は9回裏、2死走者なし。最後の打者藤平は二飛に倒れ試合終了

メガホンで選手に声をかけ指揮をとる横浜・渡辺監督(撮影・山崎哲司)
メガホンで選手に声をかけ指揮をとる横浜・渡辺監督(撮影・山崎哲司)
試合後、握手する東海大相模・門馬監督(左)と横浜・渡辺監督(右)(撮影・鈴木正人)
試合後、握手する東海大相模・門馬監督(左)と横浜・渡辺監督(右)(撮影・鈴木正人)

<試合前>

内野席は満員。外野席も8割方埋まる

横浜シートノック。渡辺監督は最後のキャッチャーフライがなかなか上がらず7度失敗。途中手で上げる

◆東海大相模VS横浜 過去の夏の神奈川大会では横浜の12勝7敗。東海大相模に原(現巨人監督)がいた74、75年まで4連敗したが、81年から8連勝。決勝対決は2勝3敗となっている。浅間(現日本ハム)高浜(同)を擁した昨年は準決勝で当たり、3―5で逆転負けした。07年準決勝では東海大相模・菅野(現巨人)が4回2死一、三塁からワンバウンドを空振り三振。打者にタッチせず、一塁にも送球せずベンチに引き揚げた横浜ナインを尻目に、ダイヤモンドを1周する「振り逃げ3ラン」の珍プレーがあった


7月27日・準決勝:横浜4-3桐光学園(10回サヨナラ)


チーム10
桐光
横浜

【横】石川、春日井、藤平【桐】恩地、中川、恩地

【試合経過】

桐光学園は1回表、1番大工原が四球。送りバントで1死二塁。3番根本は遊ゴロ。4番恩地は二ゴロで無得点

横浜は1回裏、1番増田が遊ゴロ。2番戸堀は中前安打し二盗成功。3番三河は二ゴロで2死三塁。4番公家の投手強襲適時内野安打で1点を先制

桐光学園は2回表、5番中川が四球。送りバントで1死二塁。6番大坪は三ゴロで2死二塁。7番松尾は一ゴロで無得点。横浜内野陣が堅守

横浜は2回裏、7番村田が二ゴロ。8番倉嶋も二ゴロ。9番小野がバント安打。1番増田は投手強襲安打で一、二塁。しかし2番戸堀は三振で無得点

桐光学園は3回表、9番上條が二ゴロ。1番大工原は三振。2番渡部も三振で無得点

横浜は3回裏、3番三河が右前安打。ここで桐光学園は一塁手の中川が登板。恩地は一塁へ。4番公家は遊ゴロ併殺打。5番石川は三振で無得点

桐光学園は4回表、3番根本は投ゴロ。4番恩地は中飛。5番中川は中越え三塁打。6番田中は四球。7番大坪は一飛で無得点

横浜は4回裏、6番山田が敵失で出塁。送りバントで1死二塁。8番倉嶋は左飛で2死。9番小野は右前安打。二塁走者が本塁を狙ったが好返球でタッチアウト、追加点ならず

桐光学園は5回表、1死から9番代打渡辺が左前安打。横浜はここで2人目の春日井が登板。石川は左翼へ。捕手も山田から徳田に交代。1番大工原は二ゴロ併殺打で無得点

横浜は5回裏、1番増田が左前安打。送りバントで1死二塁。3番三河の中前適時打で2-0とした

桐光学園は6回表、無死一、二塁。4番恩地は中飛。5番中川は中前安打で1死満塁。ここで横浜はエース藤平が登板。暴投で三塁走者生還し1-2。なおも二、三塁。6番田中の中前適時打で2-2同点。7番大坪が初球スクイズを決め3-2と逆転

横浜は6回裏、5番石川が三ゴロ。6番徳田は一ゴロ。7番村田は三振で無得点

桐光学園は7回表、1死から1番大工原が敵失で出塁。2番渡部の送りバントが内野安打となり一、二塁。3番根本は投前バントしたが二塁走者が三封され2死一、二塁。4番恩地は三ゴロに倒れ無得点

横浜は7回裏、8番倉嶋が投ゴロ、9番小野が一ゴロ。1番増田が左翼席へ同点ホームラン。2番戸堀が三塁内野安打で出塁し二盗。3番三河は二ゴロで勝ち越しならず

桐光学園は8回表、3者凡退。横浜・藤平は最速148キロをマーク

横浜は8回裏、4番公家が右前安打。ここで桐光学園は恩地が再びマウンドへ。5番石川は四球で無死一、二塁。6番徳田は送りバントしたが三封され1死一、二塁。7番藤平は遊ゴロ併殺打で無得点

桐光学園は9回表、3者凡退

横浜は9回裏、8番倉嶋が左前安打。送りバントで1死二塁。1番増田は四球で一、二塁。2番戸堀の打球は中前に抜けるかと思われたが遊撃手が追いつき併殺。3-3で延長戦へ

桐光学園は10回表、3者凡退

三河聖央(右)に指示をする横浜・渡辺元智監督(撮影・鈴木正人)
三河聖央(右)に指示をする横浜・渡辺元智監督(撮影・鈴木正人)

横浜は10回裏、3番三河が右前安打。送りバントで1死二塁。5番石川が右越え安打を放ちサヨナラ勝ちした

勝利し整列する横浜・渡辺元智監督(左)と平田徹部長(右)(撮影・鈴木正人)
勝利し整列する横浜・渡辺元智監督(左)と平田徹部長(右)(撮影・鈴木正人)

渡辺監督のコメント 感無量ですね。選手を信じて良かった。技術というよりもこの雰囲気に慣れて、精神的にたくましくなってきた。明日もチャレンジャー精神で、倒れても倒れても起き上がるような野球をやらせたい。


7月24日・準々決勝:横浜5-4横浜隼人


チーム
横  浜
横浜隼人

【横】石川、春日井、石川、藤平【隼】林明、山口

【試合経過】

横浜は1回表、1番増田が死球。送りバントで1死二塁。2死後4番藤平が右前安打。増田が二塁から本塁を狙ったがタッチアウトで先制ならず

横浜隼人は1回裏、1番浅見が四球も2番後藤は二ゴロ併殺打。3番大堀は二ゴロで無得点

横浜は2回表、5番石川が死球。送りバントで1死二塁。7番山田の左前適時打で1点を先制

横浜隼人は2回裏、4番山口が投手強襲安打と悪送球で無死二塁。2死後7番森山の右前適時打で1-1同点

横浜は3回表、3者凡退

横浜隼人は3回裏、1死から1番浅見が中越え二塁打。2番後藤は中飛で2死。3番大堀は左前安打。二塁走者が本塁を狙ったが好返球でタッチアウト

横浜は4回表、2死から6番村田が左越え二塁打。しかし7番山田は中飛で無得点

横浜隼人は4回裏、4番山口が安打で出塁もけん制死などで無得点

横浜は5回表、8番公家が左前安打。送りバントで1死二塁。しかし後続なく無得点

横浜隼人は5回裏、7番森山が左二塁打。1死後9番林明が左前安打し一、三塁。ここで横浜は春日井にスイッチ。1番浅見は死球で満塁。2番後藤は三振で2死。3番大堀も空振り三振で無得点

横浜は6回表、3者凡退

横浜隼人は6回裏、4番山口が敵失で出塁。5番岡田の送りバントが野選となり無死一、二塁。6番小泉が右越え適時三塁打を放ち3-1と勝ち越し。その後スクイズ失敗などで追加点は奪えず

横浜は7回表、3者凡退

横浜隼人は7回裏、1死から1番浅見が二塁打。ここで横浜はエース藤平が登板。2番後藤が右越え適時二塁打し4-1

横浜は8回表、1死から1番増田が内野安打。2番戸堀が左翼席を2ランを放ち3-4、1点差に迫った。ここで横浜隼人は山口が登板。四球と安打で一、三塁。5番石川が初球スクイズを決め4-4同点

横浜隼人は8回裏、5番岡田が内野安打。暴投で二進。6番小泉は死球で無死一、二塁。7番森山は三振。8番福嶋は三振で2死。9番藤沢は146キロ速球空振り三振で無得点

横浜は9回表、2死から9番矢後が左二塁打。1番増田が右中間を破る適時三塁打を放ち5-4と勝ち越した

横浜隼人は9回裏、1番浅見が遊ゴロ。2番後藤は左飛。3番大堀は左前安打。4番山口は中飛に終わり試合終了

渡辺監督のコメント 負けることは考えなかった。増田はセンスのある子なので、あの場面も思うようにやらせた。勝ってかぶとの緒を締めなければならないが、若いチームだし、この勢いは大事にしたい。


7月22日・5回戦:横浜6-5藤沢翔陵


チーム
藤沢翔陵
横  浜

【横】春日井、藤平【藤】中西、岩崎、関原、森山

この日も早くからファンが詰めかけ内野席は満員。外野席を開放した

【試合経過】

先発は横浜が春日井、藤沢翔陵が中西。ともに左腕

藤沢翔陵は1回表、1番嶋田が二ゴロ、2番戸上が三振、3番石川は四球。4番近藤は一ゴロで無得点

横浜は1回裏、1番増田が左前安打もけん制死。2番戸堀は右飛。3番三河は死球。4番公家は左前安打で2死一、二塁。5番石川は左飛で無得点

藤沢翔陵は2回表、1死から6番秋山が二塁内野安打。けん制悪送球で1死二塁。7番中西は三振。8番星川が右前適時打を放ち1点を先制。さらに9番長谷川が中前安打。中継が乱れる間に一塁走者が生還し2-0とした

横浜ナインがベンチに戻ると渡辺監督が「普通にやれ」とミスが続き先制された選手に声をかけた

横浜は2回裏、6番山田が死球で出塁し送りバントで1死二塁。8番春日井は捕邪飛で2死。9番向川原は右飛に倒れ無得点

藤沢翔陵は3回表、2番戸上が中前安打。3番石川の三ゴロで1死二塁。4番近藤の右前安打で一、三塁。5番森山は四球で1死満塁。6番秋山はいい当たりの右飛。タッチアップできず2死満塁。7番中西は空振り三振で無得点

横浜は3回裏、1番増田が死球。2番戸堀は投手前に送りバントも二封され1死一塁。藤沢翔陵・中西が好フィールディング。3番三河は一ゴロで2死二塁。4番公家は左前適時打で1点を返す。5番石川の右前安打で一、二塁。6番山田は遊ゴロで1点止まり

藤沢翔陵は4回表、2死から1番嶋田が左前安打。2番戸上は四球で一、二塁。暴投で二、三塁。さらに捕手がはじいたのを見て三塁走者が本塁を狙ったがタッチアウトで無得点

横浜は4回裏、2死から9番向川原が中前安打し二盗。1番増田は右前安打で一、三塁。2番倉嶋は死球で満塁。3番三河の右前適時打で2者生還し3-2と逆転した

藤沢翔陵は5回表、3者凡退

横浜は5回裏、4番公家がセンター右へソロ本塁打を放ち4-2

5回裏、ソロ本塁打を放つ4番公家(右)(撮影・狩俣裕三)
5回裏、ソロ本塁打を放つ4番公家(右)(撮影・狩俣裕三)

藤沢翔陵は6回表、2死から8番星川が頭部死球。9番長谷川は三飛で無得点

横浜は6回裏、2死一、三塁から5番石川の投手強襲の適時内野安打で5-2

藤沢翔陵は7回表、1番嶋田がバント安打と悪送球で無死二塁。ここで横浜はエース藤平が登板。送りバントで1死三塁。3番石川の一ゴロの間に1点を返し3-5

スタンドではOBの愛甲猛さんが応援

横浜は7回裏、3者凡退

藤沢翔陵は8回表、1死から内野安打と悪送球で二塁。2死後、9番長谷川の中前適時打で4-5、1点差。さらに1番嶋田が右へ適時三塁打。5-5同点とした

8回裏の攻撃を前にベンチ前でしゃがみながら話をする横浜の渡辺監督(撮影・狩俣裕三)
8回裏の攻撃を前にベンチ前でしゃがみながら話をする横浜の渡辺監督(撮影・狩俣裕三)

横浜は8回裏、1番増田が四球。送りバントで1死二塁。3番三河も四球で一、二塁。暴投で二、三塁。4番公家は死球で満塁。5番石川は空振り三振。6番山田は押し出し死球で6-5と勝ち越し。山田はガッツポーズ。

藤沢翔陵は9回表、4番近藤が遊直。5番森山は一ゴロ。6番秋山は空振り三振で試合終了

渡辺監督のコメント よくこれで勝てたな、と思います。ただ、2週間ベストコンディションでいるのは無理。一番どん底で勝てたのが救いです。


7月20日・4回戦:横浜3-0相模原


チーム
相模原
横 浜

【横】藤平【相】宮崎

相模原球場は午前9時前からファンが詰め掛け10時過ぎには内野席は満員。10時23分、外野席を開放。さらに客が入りきらないため開始時間を10分遅らせ11時10分プレーボール。12時半に満員札止め、観衆は1万6000人

【試合経過】

試合前シートノック。渡辺監督の締めの捕邪飛が一発で成功するとスタンドから拍手

先発は横浜が藤平、相模原が宮崎のエース右腕

相模原は1回表、1番木村が三振。2番井口が中前安打。3番金子は二ゴロ併殺打で無得点

横浜は1回裏、1番増田が二ゴロ、2番戸堀が配球を読んで投球の瞬間、打席の後ろに下がって打って右中間へ二塁打。しかしけん制でアウト。3番三河はスライダー詰まって一ゴロ、無得点

相模原は2回表、4番森山がいい当たりの右飛。右翼手が落球し無死一塁。5番宮崎は送りバント。投手の二塁送球がやや逸れ無死一、二塁。6番柴田は左飛。7番後藤は遊ゴロ。併殺免れ2死一、三塁。8番本郷は中飛で無得点

横浜は2回裏、4番公家が左飛。5番村田が左二塁打。6番山田の中前適時打で1点を先制。続く7番藤平の中越え適時二塁打で2点目を奪った

相模原は3回表、2死から2番井口が中前安打。3番金子は三振で無得点

横浜は3回裏、1死から3番三河が右前安打。捕逸で二進。4番公家の右飛で2死三塁。5番村田は遊飛で無得点

相模原は4回表、3者凡退2三振

横浜は4回裏、3者凡退

相模原は5回表、先頭の7番後藤が四球。8番本郷の遊ゴロで1死二塁。9番小野沢は見逃し三振。1番木村は一邪飛で無得点

横浜は5回裏、1死から1番増田が二塁打。2死後3番三河の中越え適時二塁打で3-0とした

相模原は6回表、3者凡退

横浜は6回裏、6番山田が安打で出塁。7番藤平は送りバント失敗の捕邪飛。8番小野は遊ゴロで2死一塁。9番向川原の時、小野が二盗成功。向川原は二ゴロで無得点

相模原は7回表、1死から6番柴田が遊撃内野安打。7番後藤は中飛。8番本郷は左飛で無得点

横浜は7回裏、3者凡退

相模原は8回表、先頭の代打佐藤勇が遊撃内野安打。1番木村は中飛。2番井口は投手ライナー。走者飛び出し併殺で無得点

横浜は8回裏、4番公家が中前安打。5番村田は一ゴロ併殺打。6番山田は遊飛で無得点

相模原は9回表、3者凡退で試合終了

藤平投手が4安打完封した

渡辺監督のコメント 藤平はていねいに投げた。これだけ大勢のお客さんの中での完封。大きいですよ。大変な力になる。(チームは)力は付いてきていますよ、間違いなく。

2回裏横浜1死二塁、山田の中前適時打で先制しガッツポーズし喜ぶ渡辺監督(左)と平田部長(右)(撮影・鈴木正人)
2回裏横浜1死二塁、山田の中前適時打で先制しガッツポーズし喜ぶ渡辺監督(左)と平田部長(右)(撮影・鈴木正人)

7月18日・3回戦:横浜7-0三浦学苑(7回コールド)


チーム
横  浜
三浦学苑

【横】石川、藤平【三】石井翔

【試合経過】

横浜は1回表、1死から2番戸堀が四球で出ると二盗成功。3番三河の中前適時打で1点を先制

三浦学苑は1回裏、失策の走者を1人出したが無得点

横浜は3回表、バント安打と死球、送りバントで1死二、三塁。3番三河の中前適時打で2者生還し3-0

横浜は5回表、2死三塁から4番公家の左への適時二塁打で4点目。さらに5番石川の右中間適時三塁打で1点を追加し5-0とした

横浜は7回表、無死一塁から3番三河の右中間への2ランで7-0とした

横浜は7回から藤平投手が登板。先発石川は6回を2安打無失点の好投

藤平は2安打を許すも無失点に抑え7-0で7回コールド勝ちした。

渡辺監督のコメント 石川は成長してきた。三河にはコンパクトに振るように伝えた。次(相模原の宮崎)もいいピッチャー。どこまで食らいつていけるか。目標を絞って打ち込んでいきたい。

3回表横浜1死一塁、三河聖央の盗塁で笑顔を見せる渡辺元智監督(左)と平田徹部長(撮影・鈴木正人)
3回表横浜1死一塁、三河聖央の盗塁で笑顔を見せる渡辺元智監督(左)と平田徹部長(撮影・鈴木正人)

7月14日・2回戦:横浜10-0海老名(6回コールド)


チーム
海老名
横 浜10

【横】石川、北山、春日井【海】塚平、安延、青木

試合前のシートノック。最後のキャッチャーフライは2度目で成功。スタンドから拍手

【試合経過】

先発は横浜が2年生左腕石川、海老名が3年生右腕塚平

海老名は1回表、1番武田が左飛、2番矢田は遊飛、3番渋谷は空振り三振

横浜は1回裏、1番増田が右飛、2番戸堀は四球、二盗成功。3番石川は三ゴロで2死二塁。4番公家の右への適時三塁打でまず1点、さらに5番三河の投手への適時内野安打で2点を奪った

海老名は2回表、3者凡退

横浜は2回裏、1死から四球と安打で一、三塁。9番向川原がスクイズを決め3点目。さらに2死一、三塁から捕手の二塁悪送球、暴投で2点を加え5-0。敵失で1点追加し6-0。4番公家の適時打で7-0

横浜は3回から2人目の右腕北山が登板

海老名は3回表、3者凡退

横浜は3回裏、先頭の7番山田が四球。2死二塁から1番増田の中前適時打で8-0とした

海老名は4回表、1死からエラーで初めての走者を出し暴投で二進。しかし後続なく無得点

横浜は4回裏、2死満塁から代打の代打小野が押し出し四球を選び9-0とした

横浜は5回から3人目の左腕春日井が登板

海老名は5回表、先頭の5番増山が四球で出塁も二盗失敗。6番、7番は凡退し無得点、ここまで無安打

横浜は5回裏、2死一、二塁まで攻めたが無得点

海老名は6回表、8番青木が初安打となる左前安打(左翼手が後逸する間に二進)。しかし三盗失敗、三振ゲッツーで2死。1番武田も三振で無得点

横浜は6回裏、2死から9番矢後が内野安打と悪送球で二塁へ。1番増田が中越え適時二塁打を放ち10点目、コールド勝ちを決めた

渡辺監督のコメント これじゃ、とてもじゃないがベスト4も行けない。最後まで戦えるのか不安を感じた。今日は自分たちの野球ができなかった。運良く勝てた。課題が見つかったのが幸い。

海老名対横浜 勝利し校歌を歌う横浜・渡辺元智監督(右から2人目)(撮影・鈴木正人)
海老名対横浜 勝利し校歌を歌う横浜・渡辺元智監督(右から2人目)(撮影・鈴木正人)

7月12日・1回戦:横浜9-0光明学園相模原(7回コールド)


チーム
横浜
光明

【横】藤平、石川、春日井【光】植田、冨田、阿部

渡辺監督は前日行われた激励会で「優勝候補ではないが高校野球は勝ったチームが強い。ひたすら甲子園を目指したい」とあいさつ

【試合経過】

内野席は満員、2回から外野席も開放

横浜は1回表、1番相川が右飛、2番戸堀は三振、1年生の3番増田は空振り三振で無得点

光明は1回裏、2死から連続四死球で一、二塁。しかし5番が二ゴロに倒れ無得点

横浜は2回表、4番公家が中安打。5番石川はエンドランの三ゴロで1死二塁。6番三河はいい当たりの中飛、2死。7番山田が中前にしぶとく落とす適時打を放ち1点を先制

光明は2回裏、1死から安打と送りバントで2死二塁。しかし9番は三振で無得点

横浜は3回表、3者凡退

光明は3回裏、3者凡退

横浜は4回表、1死から4番公家が中安打も後続なく無得点

光明は4回裏、3者凡退

横浜は5回表、7番山田が右前安打。8番藤平はバスター。中前安打で無死一、三塁。9番代打村田は四球で満塁。1番相川は1-2-3の投ゴロ併殺打で2死二、三塁。2番戸堀は中前適時打。三塁走者生還、二塁走者はセンターからの好返球でタッチアウト。2-0

光明は5回裏、3者凡退。横浜・藤平投手はここまで1安打無失点6K

横浜は6回表、3番増田が左前安打。4番公家が左翼席へ豪快な2ランを放り込み4-0。さらに7番山田も左翼場外へソロ本塁打を放ち5-0とした

横浜は6回から左腕石川にスイッチ

光明は6回裏、先頭打者が二塁打。内野ゴロで1死三塁も後続なく無得点

横浜は7回表、無死一塁から倉嶋の適時二塁打で6点目。1死三塁から3番増田の犠飛で7-0。さらに安打、四球で走者をため6番三河の適時打で8点目。なおも1点を加え9-0とした

横浜は7回、3人目の左腕春日井が登板

光明は7回裏、2死。ここで横浜は4人目の北山が登板。7番、8番が連続四球。9番は中飛に倒れ7回コールドで試合終了

渡辺監督のコメント 最後の夏と言われますが、私が主役ではなく選手が主役。最初は選手たちも硬さが見られましたが少しずつ普段の野球ができるようになりました。

本塁打を放った公家響(左)と握手する横浜・渡辺元智監督(右)(撮影・鈴木正人)
本塁打を放った公家響(左)と握手する横浜・渡辺元智監督(右)(撮影・鈴木正人)

渡辺監督 プロフィル

渡辺元智(わたなべ・もとのり)1944年(昭19)11月3日、神奈川県生まれ。横浜高では3番中堅手。3年夏は神奈川大会4強。神奈川大に進学後は右肩を痛め野球を断念した。65年から母校コーチを務め、68年に監督就任。73年センバツで初優勝を果たした。その後、関東学院大で社会科の教員免許を取得。98年は春夏連覇、国体を制し史上初の3冠を達成。春夏5度全国制覇。家族は紀子(みちこ)夫人と2女。



渡辺監督 甲子園全成績

73春  優勝 ○6-2小倉商、○3-0、○4-1鳴門工、○3-1広島商

74春 2回戦 ○7-0御所工、●0-1高知

78夏 3回戦 ○10-2徳島商、●0-3県岐阜商

80夏  優勝 ○8-1高松商、○9-0江戸川学園、○1-0鳴門、○3-2箕島、○3-1天理、○6-4早実

85春 2回戦 ○7-0倉敷商、●2-10報徳学園

92春 1回戦 ●3-7新野

93春 2回戦 ●3-4上宮

94春 2回戦 ○10-3大府、●2-10智弁和歌山

94夏 2回戦 ●2-4那覇商

96春 1回戦 ●1-2大阪学院大高

96夏 3回戦 ○3-1北嵯峨、●4-8福井商

98春  優勝 ○6-2報徳学園、○3-0東福岡、○4-0郡山、○3-2PL学園、○3-0関大一

98夏  優勝 ○6-1柳ケ浦、○6-0鹿児島実、○5-0星稜、○9-7PL学園、○7-6明徳義塾、○3-0京都成章

99春 1回戦 ●5-6PL学園

00夏  8強 ○12-1佐賀北、○2-1鳥羽、●1-2東海大浦安

01夏  4強 ○10-1開星、○5-0秀岳館、○4-2日南学園、●6-7日大三

03春 準優勝 ○10-0盛岡大付、○8-4明徳義塾、○3-0平安、○5-3徳島商、●3-15広陵

04夏  8強 ○8-2報徳学園、○1-0京都外大西、○7-5明徳義塾、●1-6駒大苫小牧

06春  優勝 ○1-0履正社、○7-6八重山商工、○13-3早実、○12-4岐阜城北、○21-0清峰

06夏 1回戦 ●6-11大阪桐蔭

08春 2回戦 ●2-6北大津

08夏  4強 ○6-5浦和学院、○7-4広陵、○3-2仙台育英、○15-1聖光学院、●4-9大阪桐蔭

11春 1回戦 ●1-5波佐見

11夏 3回戦 ○6-5健大高崎、●4-9智弁学園

12春  8強 ○4-0高知、○7-1聖光学院、●2-4関東一

13夏 3回戦 ○7-1丸亀、●1-7前橋育英、

14春 1回戦 ●5-9八戸学院光星

通算51勝22敗、優勝=春3、夏2

【注】部長としての出場時を除く

【甲子園の監督勝利数5傑】

63勝 高嶋  仁(智弁学園、智弁和歌山)

58勝 中村 順司(PL学園)

51勝 渡辺 元智(横浜)

51勝 前田 三夫(帝京)

45勝 馬淵 史郎(明徳義塾)

73年春センバツで初優勝した横浜ナイン(中央が渡辺監督)
73年春センバツで初優勝した横浜ナイン(中央が渡辺監督)
80年8月、優勝し記念撮影する横浜・渡辺監督(左から3人目)。左端は愛甲
80年8月、優勝し記念撮影する横浜・渡辺監督(左から3人目)。左端は愛甲
80年8月、荒木大輔擁する早実を破って優勝し、胴上げされる横浜の渡辺監督
80年8月、荒木大輔擁する早実を破って優勝し、胴上げされる横浜の渡辺監督
98年4月、センバツで優勝し記念撮影する、前列左から松坂、小倉部長、渡辺監督
98年4月、センバツで優勝し記念撮影する、前列左から松坂、小倉部長、渡辺監督
98年8月、PL学園戦で横浜・渡辺監督(左)は松坂に指示を出す
98年8月、PL学園戦で横浜・渡辺監督(左)は松坂に指示を出す
11年8月、高校日本代表の渡辺監督(左手前)の話を聞くナイン
11年8月、高校日本代表の渡辺監督(左手前)の話を聞くナイン
12年3月、甲子園通算50勝を達成し、捕手尾関からウイニングボールを手渡される渡辺監督
12年3月、甲子園通算50勝を達成し、捕手尾関からウイニングボールを手渡される渡辺監督
14年1月、センバツ出場を決め渡辺監督は孫の佳明(左)と握手
14年1月、センバツ出場を決め渡辺監督は孫の佳明(左)と握手
14年7月、東海大相模戦後、渡辺監督は小倉コーチ(右)と握手する
14年7月、東海大相模戦後、渡辺監督は小倉コーチ(右)と握手する

渡辺監督 主な教え子たち

73年春センバツで優勝投手となった横浜・永川英植(元ヤクルト、故人)
73年春センバツで優勝投手となった横浜・永川英植(元ヤクルト、故人)
80年夏 優勝し喜ぶ横浜・愛甲猛(元ロッテ)
80年夏 優勝し喜ぶ横浜・愛甲猛(元ロッテ)
98年夏、横浜・松坂大輔(現ソフトバンク)はノーヒットノーランで春夏連覇を達成
98年夏、横浜・松坂大輔(現ソフトバンク)はノーヒットノーランで春夏連覇を達成
03年春 完封で平安を破りガッツポーズの横浜・成瀬善久(現ヤクルト)
03年春 完封で平安を破りガッツポーズの横浜・成瀬善久(現ヤクルト)
04年夏 甲子園8強入りに貢献した横浜・涌井秀章(現ロッテ)
04年夏 甲子園8強入りに貢献した横浜・涌井秀章(現ロッテ)
08年夏準々決勝 右越え2ランを放ちガッツポーズする横浜・筒香嘉智(現DeNA)
08年夏準々決勝 右越え2ランを放ちガッツポーズする横浜・筒香嘉智(現DeNA)
11年夏神奈川決勝 10回裏、近藤健介(現日本ハム)はサヨナラ安打を放ちガッツポーズ。右は生還する乙坂智(現DeNA)
11年夏神奈川決勝 10回裏、近藤健介(現日本ハム)はサヨナラ安打を放ちガッツポーズ。右は生還する乙坂智(現DeNA)
昨年ドラフトで日本ハムから指名を受けた浅間大基(右)と高浜祐仁
昨年ドラフトで日本ハムから指名を受けた浅間大基(右)と高浜祐仁