連覇を狙う東海大相模(神奈川)のドラフト1位候補で最速149キロ左腕、小笠原慎之介投手(3年)の夏が幕を開けた。

 8回。リードはわずかに1点だったが「気持ちの準備はできていました」。堂々と左腕を振り、4番の左打者・工藤を内角直球で三ゴロに仕留めると、次打者から5者連続三振。2回をパーフェクトに抑えた。26球中、23球が直球。夏初陣でいきなり最速146キロを出した。「自分の一番いい球。リリースで力を入れて投げることを心がけました」と胸を張った。

 今夏は自分を追い込んでいる。「去年の夏は大会前に抜いて(調整した結果)ダメだった。自分はある程度負荷がかかった方がいいタイプなので、まだ多少体を痛めつけています」。目標は先。頂点を見据えるからこそ、今は体がつらい状態で投げている。体重は冬から5キロ減で現在83キロ。夏を戦い抜く体もできている。

 住吉に勝利したが、先制され一時同点に追い付かれる展開だった。その間も、小笠原はベンチから仲間を鼓舞し続けた。「去年の甲子園は1回戦で負けたので借りを返しに行く。目標は全国制覇。負けるとか、頭にないです」。高校最後の夏に、真の小笠原を見せる。【和田美保】