第88回選抜高校野球大会(16年3月20日開幕、甲子園)の21世紀枠候補9校が11日、日本高野連から発表され、北海道地区は札幌清田が候補校となった。「選ばれたからには、ふさわしいチームになれるよう、気を引き締めて過ごしていきたい」と山田竜平(たっぺい)主将(2年)。この日、創立40周年記念式典の最中に一報が届くと、全校生徒で埋まった体育館は歓声に包まれた。

 実績は文句なしだ。秋季全道大会で初勝利をマークすると、勢いに乗って4強。準決勝で敗れたものの、札幌地区予選から全7試合完投の鉄腕エース実松雄貴(2年)を中心に旋風を起こした。学業優先のため練習環境に制約は多いが、日頃から選手主導で練習メニューを組むなど主体性を育んできた。

 推薦理由について、道高野連の小嶋仁章専務理事は「地元の子どもたちで構成されたチームで、秋季大会の成績も素晴らしかった」と説明。さらに複数投手制が主流となりつつある今、大黒柱となった実松の力投も高評価につながり「ひと冬越えて楽しみな投手」と期待を寄せた。

 21世紀枠は、01年の第73回大会から導入。札幌地区からは09年北海学園札幌以来3度目の推薦となるが、これまで選出されたことはない。全出場校が決まる選抜選考委員会は来年1月29日の予定。実松は「それまでに自分の課題を少しでも多くつぶしたい」。スタミナ増に、直球のスピードアップ。全国で戦う土台を作り、吉報を待つ。【中島宙恵】

 ◆札幌清田 1975年(昭50)創立の市立校で、今年で創立40周年を迎えた。普通、グローバルの2コースがあり、生徒数951人(女子563人)。クラブ活動は今年、全国高校総合文化祭自然科学部門にて最優秀賞を受賞した理科部をはじめ、女子テニスが秋季全道大会・団体戦で優勝するなど、文武ともに盛ん。創立とともに発足した野球部は、84年夏の南北海道大会4強が最高成績。所在地は札幌市清田区北野3の4の6の1。鳴海昌江校長。