その思いは、確実に届いていた。場外弾のボールを回収に向かった八代工高の吉岡青大君(2年)は「本当にすごいです。(プロの)2軍の試合も何度か見に来たことがありますが、プロでも場外は見たことないです」と仰天。清宮がこの招待試合に特別な思いを持っていることを聞き「熊本のために…。とてもうれしいです」と感激した。

 清宮も、サプライズな後押しを受けた。1試合目の文徳戦は文徳ナイン、2試合目の八代戦は秀岳館ナインが早実のスタンドで応援歌を歌ってくれた。「(事前に)聞いていなかったので、うれしかったです。楽しい雰囲気をつくってくれて、本当に感謝しています」。文徳に敗れ、1勝1敗で初日を終えたが、野球で結ばれた絆に球場中が笑顔に包まれた。【久保賢吾】

 八代・緒方空澄投手の話 (清宮に高校通算93号を浴び)「今まで打たれたホームランとはレベルが違った。とてつもなかった。少し高く、少し真ん中に入った直球を振り抜かれた」。

 早実・和泉実監督の話 (清宮について)「ボールをつかまえたら、ああいう(特大の)ホームランばかり。飛距離は本当に出ますね」。