東北の布施東壱(とうい)捕手(3年)が2試合連続本塁打を放ち、チームを2年連続の決勝、東北大会(6月8日開幕、宮城)出場に導いた。公式戦初めて4番に座り、2点リードの5回1死二塁から、右翼ポール際に今大会4試合目で3本目のアーチをかけた。「点を取れてホッとしている。甘い球を捉えることができている」と喜んだ。

 中軸打者だが、主砲・植木利久内野手(3年)の不調で回ってきた4番の大役。我妻敏監督(35)は「布施の前に走者を出す打順を組んだ。その中で結果を出した」と、昨夏の甲子園経験者をたたえた。捕手としても、先発左腕古川原将真(2年)の3安打完封をサポートした。

 昨秋の県大会準々決勝敗退後、巻き返しのため「ホームラン、長打は必要になってくる」(布施)と、強いスイングを意識した。打撃練習では、フルスイングの中でボールをしっかり芯で捉える技術を磨いてきた。ウエートトレなどで飛距離も伸び、昨秋まで5本だった高校通算本塁打は、この春で13本に増えた。

 明日30日、東陵との決勝は昨春と同じカード。「東北大会を決めた。夏に向けて、いい試合をしたい」と言った。2年連続夏の甲子園出場へ、さらに打撃力を上げていく。【久野朗】