今夏、第100回大会を迎える全国高校野球選手権で、会場の甲子園球場の外野席を有料にする案が出ていることが12月31日、分かった。

 高校野球の春夏の甲子園大会では外野席は入場無料。観客は自由に出入りでき、特に夏は観客数が年々増加している。主催者側は警備などの雑踏対策に力を入れているが、万が一の事故を防止するのために有料化案を検討している。

 昨夏の甲子園大会第4日は、第1試合開始前から外野席は満員状態だった。センバツ王者の大阪桐蔭、中村奨成を擁する広陵(広島)横浜(神奈川)などが出場し、午前6時半の時点で満員通知が出た。外野席は通常より15分早い午前6時15分に開門し、1時間程度で埋まった。

 今夏の大会では観客がさらに増えることも考えられる。

 日本高野連は、少子化や野球離れなどに策を講じる「高校野球200年構想」協議会を設置。外野席を有料として得られる収益は、普及や育成、振興などに使う見込みだ。なお、現在、外野席の有料化が検討されているのは夏の大会のみ。春のセンバツは引き続き無料の方向だ。