<高校野球秋季東海大会:静岡11-3土岐商>◇19日◇準々決勝◇三重・伊勢倉田山球場

 静岡が土岐商(岐阜)に4本塁打を浴びせ、7回コールドで下した。3回に内山竣、堀内謙伍、安本竜二(いずれも2年)の3者連発が飛び出し、安本は4回にも自身初となる2打席連発を放った。

 スタンドにいたプロのスカウトも「見たことがない」という3、4、5番の3連発が飛び出した。

 まずは内山。3-2と1点差に迫られた3回の先頭だった。カウント1-2からひざ元の直球をとらえると右翼席に通算10号をライナーで運んだ。「追い込まれたからシャープに振ろうと思った。手応えは完ぺき」とにんまり。打率を稼ぐことを指針にしているが、追い込まれる前には思い切って振ることを心がけている。

 そして堀内。追い込まれてからは逆方向への打球が多いがこの日は違った。カウントは2-1。内角の直球に「インコースは好きなので。反応した」と内山と同じような軌道を描いた。「あまり本塁打は打たないんですけどね」と通算7号に笑顔がはじけた。

 とどめは安本だ。2者連発に会場がざわめくなか、初球の変化球をとらえた。左翼へ大きな8号。「下半身をつかってスイングすることを意識している」。ぐっと腰を落として強く振る。4回にはまたも初球を振り抜いた。「やってきたことを信じてやれば優位に立てると思っている」。主将としてチームをけん引する象徴のような1発にベンチも大騒ぎだった。

 センバツ出場の目安となる決勝進出にあと1勝とした。相手は同じく県大会準決勝で対戦した日大三島。前回は不調の小沢怜史(2年)をKOしたが、安本は「ベストの状態で来ることをイメージしてやりたい」と引き締まった表情で話した。センバツ切符も打ち勝って獲得する。【加納慎也】