宮崎市内で新たな感染が見つかった口蹄(こうてい)疫の問題で、宮崎県高野連は6日、緊急役員会を開き応援態勢を部員と保護者以外の観客をスタンドに入れない「無観客試合」とすることを決定した。また会場となるアイビースタジアム(宮崎市)が使用できなくなったことから3会場から2会場に変更し、決勝は1日延ばして28日に行う。高校野球としては異例の態勢で大会が開催される。

 宮崎県高野連が苦渋の決断を下した。部員と保護者以外はスタンドに入れない無観客試合での実施。高校野球の名物でもあるブラスバンドや応援団も宮崎大会では見られなくなる。「高校野球ファンの皆さんにも大変申し訳ないと思っています。我々もつらいですが、わかっていただきたい」と猪股整理事長(55)は理解を求めた。

 すべては大会実施のためだ。口蹄疫は1度は終息の方向に向かった。1日の理事会では「このまま新たな感染がなければ」と、条件つきながら通常通りの開催を決定。だが、会場になっている宮崎市内のアイビースタジアム付近で新たな被害発生に伴い、再び見直されることになった。

 「保護者だけはスタンドに入れてほしい」と各校からの要望の声も出たため、部員と保護者だけは観戦を認めることとした。すでに開会式の中止は決まっている。今回の決定で球場に入れるのは、部員と引率の教師、保護者に限定され、他の生徒や応援団をはじめ一般客は入場不可となった。会場には噴霧器や消毒液を設置し防疫体制を徹底させる。保護者には各校が作成する許可証の着用を義務づけることも決定。日程でもアイビースタジアムが使用できなくなり、宮崎県総合運動公園内にあるサンマリンスタジアム宮崎、ひむかスタジアムの2会場で実施し、1日の試合数を4試合に増やして行う。

 このまま新たな感染が出なければ27日には県内のすべての制限が解除される見込み。制限解除となれば通常開催にする方向で「決勝だけでもたくさんの方に見てもらえれば」と猪股理事長は祈るように話した。