<アスレチックス4-0レイズ>◇9日(日本時間10日)◇オークランドコロシアム

 アスレチックスの左腕ダラス・ブレーデン投手(26)が現在メジャー最高勝率のレイズ相手に完全試合を達成した。

 最後の打者を速球で遊ゴロに仕留めると一塁付近でもみくちゃにされた。「記録は自分だけではなく、チームみんなのものだ」。09年7月のバーリー(ホワイトソックス)以来、Wシリーズを含め、19度目(19人目)の快挙だった。速球と大きなカーブを武器に109球。三振6、内野ゴロ7、邪飛を含む内外野への飛球14で27人を打ち取った。

 高校時代に母をがんで失った。母の日の好投に「母を亡くしてからしばらくは何も楽しくなかった。今日は見ていてくれた祖母が励ましてくれた」。ベンチ前で涙を流して喜ぶ祖母と長い間、抱き合った。

 先発した4月22日ヤンキース戦。一塁走者ロドリゲスがファウルで三塁から戻る際、マウンドを横切った。これに「オレのマウンドから下りろ。メジャーの不文律をお前のとこの主将(ジーター)に教えてもらえ」と激高した。Aロッドには「たいして勝ってもいないヤツに言われるなんて」とバカにされたが、今回の快挙で差は縮まったはずだ。