【ヒューストン(米テキサス州)5日(日本時間6日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、防御率0・97で再び両リーグトップに立った。今季3度目となる投手専念でアストロズ戦に先発。7回を投げ規定投球回に達し、4安打2失点だった。今季最速101マイル(約162・5キロ)をマークした直球とスイーパーを軸に攻めたが、23年7月以来となる1試合2本塁打を浴びた。打線の援護に恵まれず、今季2敗目となった。

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打者大谷を“もう1人の大谷”が支えている。前回登板に続き、打順に入れないことに対する思いを問われた。「ピッチングに集中した方が、今はチームにとっていい結果が出るっていう判断だと思いますし、自分の状態が良ければ打ってほしいっていう状況になるかなと。そこは状態をしっかり上げていくのが、まずやるべきこと」。打撃不振を認めつつ、現状を俯瞰(ふかん)していた。

打者として新たな局面にいる。現時点で自己ワーストの24打席連続無安打。「あんまりここまでヒットが出ないっていうことはないとは思う」と語った。ズレはどこにあるのか。「一番は(バットの)軌道ですかね。構えの問題だと思ってましたけど、いくつかの要因があるのかなと。そこは明日以降、また試しながら何が良くないのかがはっきり分かればスッキリして打席に立てる」と明かした。

これまで何度も、復調の糸口を見いだしたのは構えだ。打撃の軸とし、最も重視してきた心得でもあった。それが、違う。さらに、原因を探っている段階。「登板前日にあまりやることはない」と、異例の早出特打にも取り組んだ。

もがく状況が続く中、それを投手大谷が救っている。「打てなくても、こうやって週に1、2回ピッチングの日は必ずくるので。気晴らしではないですけど、別のやることがまたくる。そこでまた、取り返せる機会が来るわけなので」。バットで貢献できなくても、投げてカバーできる。逆もしかり。かつては1試合で同時に起きていたが、今は別々になっただけとも解釈できる。序盤から160キロ前後の直球で押す迫力満点の投球は、まるでうっぷんを晴らすかのようだった。

力投しても試合後は、打撃不振に関する質疑応答が相次いだ。それでも「ヒットが出てないからといって、たぶん皆さんが思ってる以上に悲観してるっていうこともないので」と終始、表情は穏やかだった。少なからず歯がゆさはあるだろう。「生活の一部が野球にあると思うので、長いシーズン、1試合1試合切り替えながらやりたい」。二刀流の起用法や不振脱出で、新境地にいる。むしろ大谷は、その挑戦を楽しんでいるようにも見えた。