ダルビッシュ有投手(27=レンジャーズ)が侍ローテーションの先陣を切る。レ軍ワシントン監督は25日(日本時間26日)、アーリントンでのイベントで同投手を3月31日(同4月1日)に行われるフィリーズとの開幕戦に起用することを明言したと、大リーグ公式サイトなどが報じた。メジャー3年目で初の開幕投手を務めることになり、日本選手では野茂、松坂、黒田に続く4人目の大役。ヤンキースへの移籍が決まった田中将大投手(25)のデビュー直前に、メジャーのエースとして手本を示す。

 必然だった。ワシントン監督は開幕投手について、「ダルビッシュが健康なら、明らかだ」と答えた。昨季、サイ・ヤング賞の投票で2位に入ったダルビッシュが、レ軍14年のスタートを託された。日本選手では野茂、松坂、黒田に続く4人目の快挙。自身メジャー3年目で初の大役となるが、指揮官に迷いはなかった。

 結果で開幕を奪い取った。メジャーデビューした12年に16勝し、昨季は200投球回を達成しての13勝。現場だけでなく、フロントからも全幅の信頼を置かれている。エースとしてカブスなどで活躍し、レ軍GM特別補佐で野球殿堂入りしたマダックス氏からは「(実力は)天井知らずで、どこまでも上にいける」と絶賛されたばかり。投手陣でもう1人の軸だった左腕ホランドが、故障で前半戦の出場が絶望。担う責任はさらに重くなる。

 名誉ある指名も「健康なら」の注釈が付く。昨季終盤に腰背部の神経障害に悩まされた。右脚がしびれ、ブロック注射による治療を受けながらシーズン最後まで投げ抜いた。昨年11月の精密検査では順調な回復が確認されており、今年に入りすでに捕手を立たせたままのブルペン投球を行っている。照準は開幕に絞られた。

 後輩へ、メジャーのエースとしての手本を示す格好の舞台にもなる。日本ハム時代から慕われてきた田中のヤンキース入りが決定。同選手の合意会見の日、ダルビッシュは古巣日本ハム2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレを行っていたが「僕はマー君じゃないんで、マー君に聞いてください」と無関心を貫いた。言葉ではない。メジャーデビュー直前であろう田中に、内容と結果で勇気を届ける。

 ◆ダルビッシュ、黒田、マー君、岩隈の開幕1カ月の先発日予想

 開幕直後に日本人4投手が4日連続で先発する可能性がある。レンジャーズの開幕投手に指名されたダルビッシュが3月31日に日本人先発投手の先陣を切る。マリナーズは同日に開幕。岩隈は先発2番手が予想されるだけに、4月1日のエンゼルス戦でスタート。またヤンキースは4月1日開幕で、黒田が2番手、田中が3番手になる見込み。同月2日と3日のアストロズ戦にそれぞれ先発するとみられる。