ヤンキースからフリーエージェント(FA)になっていたイチロー外野手(41)が、マーリンズ入りすることが17日(日本時間18日)、決定的となった。米球界関係者らによると、入団を前提に契約合意へ向けて、細部の内容を煮詰める最終段階に入った。イチローにとって、初のナ・リーグとなるものの、定位置を争える環境。決意を新たに、新天地でメジャー通算3000安打到達を目指すことになる。

 幾多の偉業を重ねてきたイチローが、メジャー15年目の舞台として、マーリンズを選ぶことが、確実となった。昨季終了以来、代理人を通して折衝を続けてきた結果、マ軍入団を前提に話し合いが前進。年数は1年ながらメジャー契約で、インセンティブ(出来高払い)を含め、総額2億~3億円程度の内容で最終段階に入った。早ければ、今週中にも正式合意する見込みとなった。

 このオフのイチローは、新たにジョン・ボグズ氏を代理人に迎えて“就活”を開始。年末年始をまたぎ、新天地探しを続けた。ブルージェイズ、オリオールズなどが興味を示す中、イチローが優先したのは、金銭面などの条件ではなく、やはりプレー機会だった。

 無論、マ軍でも、定位置が約束されているわけではない。イチローの本職である右翼には昨季の本塁打王で、米プロスポーツ史上最高額となる13年総額3億2500万ドル(約390億円)で契約延長したスタントン。左翼にはゴールドグラブ賞のイエリチ、中堅オズナと外野布陣を敷く一方で、いずれも経験不足で将来性は定かでない。

 現段階では、「外野の4番手」「スーパーサブ」のような立場だが、実戦が始まればすべては結果次第。しかも、外野のメジャー枠は、この若い3人しかいない。41歳になったとはいえ、イチローにすれば、競争できる環境こそ、望むところだった。実際、昨季もヤ軍の外野手4番手ながら143試合に出場。メジャー14年目で初めて規定打席を割りながら、打率2割8分4厘とヤ軍でトップ(200打席以上)の成績を残した。しかも、年齢を感じさせない守備力は依然として高評価を受けている。

 メジャー通算3000本安打まで156本。日米通算では、メジャー歴代1位ピート・ローズの4256安打に134本と近づいた。米国でも殿堂入りが確実視されるイチローが常夏マイアミで、また新たな1歩を踏み出すことになる。