西武は故障離脱したエース岸孝之投手(30)に代わり、牧田和久投手(30)が27日のオリックス戦で自身初の開幕投手を務めることが濃厚となった。3年連続の大役を担うはずだった岸が前日21日のDeNA戦で左脇腹を負傷。同日の2度目の検査で炎症と診断された。一夜明け、田辺監督は「残念だが無理はさせられない」と決断した。

 首脳陣は現段階で代役に牧田、野上の二者択一としたが、サブマリン牧田が最有力。DeNA戦で2回を1安打無失点。「強い直球を投げられ、打者も差し込まれていた」と好感触。「(首脳陣から)何も言われていない」とした上で「開幕投手はプロ野球の先発投手の顔。任されれば光栄だし、下手な投球はできない」と覚悟を示した。開幕戦へは中4日となるが、この日は16球で問題ない。野上は28日の2戦目に回ることになりそうだ。

 無念の負傷となった岸は責任を痛感していた。「(背筋痛で)キャンプの最初から迷惑をかけて申し訳ない。謝罪しかないです」。全治は不明だが、脇腹は繊細な箇所で長期離脱する可能性もある。牧田には「こういう形になって申し訳ない」と伝えたという。

 岸に代わり、岡本洋がローテ入り。菊池も2軍調整中で開幕は牧田、野上、郭、十亀、ルブラン、岡本洋で難局を乗り切る。球界では92年の阪神葛西稔、球団では83年の高橋直樹以来となるサブマリンの開幕投手。牧田が潜望鏡から開幕戦勝利をのぞく。【広重竜太郎】