負けても五分だ! 楽天が日本ハムに1-11で敗戦した。投手陣がことごとく打ち込まれ、打線も振るわなかった。開幕カードは1勝2敗と負け越したが、3試合目までに1軍登録された選手は全員出場。経験を積んだ上に、敵地で1勝したことを大久保博元監督(48)は高く評価。大差がついても最後まであきらめない姿勢がベンチにあったと話し、本拠地開幕戦につながると前を向いた。

 大久保監督は大敗した重苦しいムードを振り払った。「開幕カードという独特のムード、しかもアウェー。日本ハムのファンの方々が盛り上げている中で、1つ取って帰れた。五分で終わった気持ちで帰りたい」。試合後の囲み会見で、明るく言い切った。

 1-11のワンサイドゲーム。数字だけ見れば暗くなりそうな試合展開だった。先発の横山が1回を持たずにKO。続く入野、浜矢も失点を重ねた。4番ペーニャも第2打席で見逃し三振を喫した際に、審判への侮辱行為を行ったとして退場処分となった。投打の空回り。大久保監督は「横山は自分らしく腕が振れていなかった。1つ経験です。入野もプロの洗礼をしっかり浴びた。ペーニャ自身も反省していると思う」と失敗を成長につなげてほしいと前向きに言った。

 明るい材料がある。それは最後まで戦う姿勢を見せ続けたことだ。10点差がついた9回にもベンチでは選手が声を出し続けた。今季初スタメンの岡島は適時打を含む二塁打2本と復調の好材料を見せた。またこの3試合で登録された28人が全員出場し、シーズンの雰囲気を味わった。「全然あきらめる雰囲気はなかったし、盛り上がる姿勢が最後まであった。士気が上がるというのが何よりも大事。次につながる。選手も全員出せたし」と振り返った。

 開幕3試合を終えて、1勝2敗。負け越してしまったが、密度の濃い試合内容に得るものはたっぷりあった。31日からは、仙台に戻る。指揮官は「東北6県、また全国のファンのみなさん、ぜひコボスタに来ていただいて、ともに戦ってください。相手に必ず勝つという意識で戦っていきます」と意気込んだ。感覚はまだ五分。ファンの大声援を力に本拠地で連勝して、貯金を作る。【島根純】