オリキラーのはずが…。ソフトバンク武田翔太投手(21)が得意のオリックス相手に5回2/3、9安打7失点でKOされた。今季初先発は悔しい初黒星となった。

 「ゲームをつくれなかったことが…。申し訳ない気持ちでいっぱい」。降板後、悔しさいっぱいの表情でベンチから試合を眺めた。

 オリックスには過去3年で9戦5勝。昨年は3試合で2勝1敗。対戦防御率0・89。前日3月31日には大隣が完封しており、いい流れで猛牛を料理するはずだった。登板2日前「カーブはみんな狙っていますからね。ほかの変化球を使えれば」と話していた。昨年の阪神との日本シリーズで有名になった縦に鋭く曲がるカーブ。初回、そのカーブをT-岡田に中前に運ばれ先制点を許した。

 狙いをかわすため、横へ鋭く曲がるスライダーやチェンジアップを多投し5回まで2失点と粘った。だが、6回中島にソロを浴び1点差に詰め寄られると、2死から下位打線に4連打を浴びるなど逆転を許した。「疲れはなかったが甘くいってしまった」。あと1死が奪えずにKO。救援陣も悪い流れを止められず、開幕から連敗が続いていたオリックス打線の目を覚ます白星を献上してしまった。

 工藤監督は「あそこを乗り越えてくれることで、彼にとってこうすればいいというのが見つかる。それぞれの開幕。どうこうと言うことはない」と結果について責めなかった。武田は「次は追い込んでからの低めの変化球をよくしたい」と前を向いた。工藤ホークスの先発の柱として期待されるからこその6回の試練。この悔しい経験を必ず生かす。【石橋隆雄】