2試合連続で大勝していた日本ハムの連勝が止まった。初登板初先発の2年目・高梨裕稔投手(23)が、4回途中4失点(自責3)で降板。残した走者を、同期の2番手・白村明弘投手(23)が押し出し四球で生還させるなど、自分たちのミスで首を絞めた。2戦連続2桁得点中の打線も2点を返すのが精いっぱい。高梨、白村は、そろって2軍降格が決まった。

 前日までの大勝は忘れていた。栗山英樹監督(54)の表情は、苦かった。「怒ってる…オレに。ああいう試合の後に、競りながら勝ちたかった。申し訳ない」。ポテンシャルを秘めた若い芽がくすぶる現状が、もどかしかった。

 2年目で初登板初先発の高梨は初回、先頭の岡田に死球を与え、リズムを乱した。「(1軍は)雰囲気が違う。ボール先行で、焦ってしまいました」。続く鈴木の右前打で無死一、三塁とされ、併殺の間に先制点を失った。2回にもクルーズに一発。4回1死一、三塁となったところで降板した。

 まだ2点差。栗山監督は、同じく2年目の白村をマウンドに送った。「(高梨を)もっと投げさせたかったけど、チームの状況もある」。ピンチをしのげば、勝機は巡ってくると踏んだ。だが白村は、2死目を取った直後に乱調。鈴木にストレートの四球を与えて満塁とすると、角中にも押し出しの四球で、打たれることなく点を失った。5回の攻撃で2点を返しただけに、痛恨の追加失点だった。

 試合後、指揮官は白村を監督室に呼んだ。「期待が大きいだけに、思いっきり小言をいいました」。高梨とともに、2軍で再調整させることを決めた。

 連勝が止まったとはいえ、首位にいる事実は変わらない。白村は「一回りも二回りも成長して帰ってきたい」。高梨も「チームのいい流れを断ってしまって申し訳ないですけど、この経験を次に生かさないといけない」と言った。リーグ制覇、日本一という目標は、全員が一丸とならなければ成し遂げられない。2人がレベルアップして戻ってくるなら、この日の1敗は無駄にはならない。【本間翼】