試合後のロッテ根元俊一内野手(31)は開口一番「野球の神様、ありがとう!」と笑った。適時打2本を含む3安打4打点。幸運もあった。5回2死一、二塁で同点二塁打。広島大瀬良の初球だ。高いバウンドで一ゴロと思われた直後、打球がベースに当たり、一塁新井の股を抜いた。「ベースに当たるヒットは初めて」と驚いた。

 トドメもツイていた。9回1死満塁で走者一掃の三塁打。「最低でも外野フライで」と振ったら、前進守備の左翼エルドレッドの頭上を越えた。定位置なら左飛の可能性が高かった。

 運も、心がけのおかげかもしれない。10年目。「いろいろ経験させてもらって、分かりました。愚痴っても、何にもならない」。レギュラーも、2軍も味わった。苦い経験がある。110試合に出た08年オフ。当時のフロントに「来年も二塁のレギュラー」と言われたが、同じオフに井口が加入。09年は30試合にとどまった。「これがプロ」と痛感させられた。実はこの日、スタメンの予定はなかった。井口が守備練習中に右手小指を痛めたため回ってきた。そこで活躍。「準備はいつもしている。やることは変わりません」。仕事を果たした。【古川真弥】