聞き慣れないアナウンスが沖縄の夕空に響いた。「1番、ショート、遠藤」「2番、センター、友永」-。中日谷繁元信兼任監督(44)が、今季最大のショック療法を施した。最近5試合で1安打と苦しんでいた1番大島をベンチに下げ、プロ初スタメンのルーキー遠藤一星内野手(26)を1番に抜てき。2番には同じく新人の友永と、新戦力コンビを並べた。

 2試合連続で完封負けとなった前夜もチームのヒットは谷繁兼任監督が放った2本だけ。打線に元気が戻らないまま谷繁政権ワーストとなる6連敗を喫した。2日前の練習日には「空気を変えろ」と首脳陣からゲキが飛んだが、笛吹けど兵踊らずの状態だった。

 ベンチの願いが通じたのは1点を追う5回だった。2死二塁、4番ルナの逆転5号2ランでチームは23イニングぶりに得点した。6回には1番遠藤にもプロ初安打&初タイムリーが飛び出し、DeNAを下した。沖縄でプロの1歩を踏み出した遠藤は「これでほっとせずにこれからも頑張っていきたい」と表情を引き締めた。

 7試合ぶりの2桁安打で、連敗は6で止めた。谷繁兼任監督は「(1、2番について)同じように負けるんであれば、行った方がいいと思って使った。相手投手が左だからとか関係なく。そういうのを抜きにして動いた。まだまだですけど、経験して力になっていけばいい」と若い力を評価した。【桝井聡】