今季で契約が切れるDeNA中畑清監督(61)が来季の続投要請をされたことが17日、分かった。この日、都内で南場智子オーナー(53)ら球団幹部と会談。チームは前半戦42勝42敗1引き分けで5割をキープし、日本一になった98年以来17年ぶりの首位ターンを決めた。球団は、ここまでの堂々たる戦いぶりを高く評価。後半戦再開前の異例の早期要請で歓喜の秋に向け、勝負に集中できる環境を整えた。

 中畑監督はこの日、都内で南場オーナー、池田社長、高田GMと会談し、来季の続投を要請された。同監督は常々「この世界は結果がすべて。俺はいつでもクビになる覚悟はある」という野球人としてのポリシーを持っているが、球団の誠意ある早期要請に前向きな姿勢だとみられる。続投となれば、来季で就任5年目となる。

 チームはここまで驚異的な快進撃から7連敗、12連敗と大連敗を喫したが、粘り強さも発揮。前半戦最終カードの巨人戦で3タテを食らわすなど、4連勝で首位ターンを決めた。打線の軸に置く、筒香、梶谷に加え、守護神に抜てきしたルーキー山崎康ら、若手の積極起用と育成力も高く評価された。同監督が最大のテーマと設定する「最後まで諦めない野球」をチーム一丸で実践しながらペナントレースを突き進んでいる。

 異例の早期要請は1月に就任した南場オーナーの初仕事でもあった。球界初の女性オーナーとして女性ならではの視点で球団改革に着手。同時に勝負への強いこだわりも持ち、就任会見では「強いチームじゃないとエキサイトしない。毎年、優勝を目指して、優勝争いをするチームでありたい。格好良さは強さとリンクしている。さらに強くなればさらに格好良くなると思います」と常勝チーム形成に強い意欲を見せていた。

 この時期に球団が決断を下したことは後半戦への大きな期待が込められている。98年以来17年ぶりの頂点へのチャンスは十二分にある。前半戦終了後、中畑監督は「現時点での5割は優勝への最低条件であり、最高条件でもある。オールスター明けの1カ月は開幕よりも大事」と今まで通り一戦必勝でぶつかっていく覚悟だ。悲願の優勝、来季以降の「常勝キヨシ軍団」を目指すべく、5年目となる来季も先導役を託された。

 ◆中畑清(なかはた・きよし)1954年(昭29)1月6日、福島県生まれ。安積商(現帝京安積)から駒大を経て75年ドラフト3位で巨人入団。3年目から高田繁(現DeNA・GM)の後の三塁手として1軍定着。「絶好調」を決めゼリフに人気を集めた。81年に一塁手転向。81~88年に4番で219試合出場。82~88年ゴールデングラブ賞。球宴出場6度。労組日本プロ野球選手会初代会長。通算1248試合、打率2割9分、171本塁打、621打点。89年引退。93、94年巨人1軍打撃コーチ。04年アテネ五輪(銅メダル)では長嶋監督急病のため日本代表監督を代行した。10年「たちあがれ日本」から参院選出馬も落選。12年からDeNA初代監督。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億円。