何もかも吹き飛ばすプロ初満塁弾となった。ロッテ田村龍弘捕手(21)が8回に左中間へダメ押し2号のグランドスラムをかけ、チームの今季初5連勝を決定付けた。6月13日の巨人戦でプロ初ホーマーを放っているが、ソロだった。お立ち台で満塁弾の感想を聞かれると「えっ、もっとあるかと思いました」ととぼけて笑わせた。

 打席に入る前、伊東勤監督(52)から「打てなくていいから思い切っていけ」とアドバイスを受けた。7月4日に左足首を痛めてから当てに行っていたからだ。25日まで10試合無安打で苦しんでいた。「左足で踏ん張れずメチャクチャでした。監督の言葉で頭をサラにして強いスイングを心掛けた」と会心の一打を振り返った。

 満塁弾よりうれしいのがリード面での貢献だ。ここ3試合は0、1、1失点。4試合連続で先発に勝利がついた。「僕の仕事はチーム防御率を下げて先発に勝ちをつけることですから」と守りの大切さを強調した。ライバルの吉田が2軍に落ちて正捕手争いは1歩リードした。それでも伊東監督は「まだまだ。あまり褒めると調子に乗るから」と、3年目の正妻候補に大きな期待を込めた。【矢後洋一】