マエケンなのに…。広島投手陣がDeNA打線につかまり、2桁失点を喫した。緒方孝市監督(46)も、後半戦の鍵を握る投手陣の炎上におかんむり。先発前田の2回降板から中継ぎ陣も失点を重ねるなど、投手陣に疲労の色は隠せない。今日1日から8月戦線。争いはさらに熱くなる。このまま上位球団に離されるわけにはいかない。

 繰り返されるDeNA選手の生還に、三塁ベンチの緒方監督は腕を組んだままジッと見つめていた。「向こうも狙って打ってきた。しっかりマエケン対策をしたのだろう。先発が早い回に崩れて中継ぎ陣に負担がかかっているのは確か」。試合後もただ1点だけ見つめ、敗戦の弁を絞り出しながら球場を後にした。

 まさかの展開だった。先発前田が今季ワースト6失点で今季最短2回降板。今季、常に7回以上を投げてきたエースの早期降板によって、中継ぎ陣にしわ寄せがきた。2番手戸田は3回に2者連続三振を奪うなど3者凡退に切ったが、2イニング目の4回に2死からロペスに2ランを被弾。3番手飯田も3者凡退の6回から一変、7回は四球と三塁失策でマウンドを譲った。代わった永川も適時打と押し出し死球を与え、試合はほぼ決した。

 29日ヤクルト戦から3試合連続で先発投手が5回以下で降板する試合が続き、ヤクルト3連戦では2人、4人、3人の中継ぎ陣が登板した。開幕からフル回転する先発同様、中継ぎ陣にも疲労の色が見える。この日4投手で8四死球。野手陣も記録上だけでないミスで足を引っ張った。前日30日ヤクルト戦で熱中症を発症したシアーホルツは、この日欠場した。真夏日が続き屋外球場での試合と長距離移動が続く広島にとっては踏ん張りどころ。

 借金が再び5となり、今日1日も敗れれば5位に転落する。後半戦前に緒方監督は「投手陣が鍵となる。失点を1点でも少なくして接戦を勝っていきたい」と話していた。来週には上位の阪神、巨人と続く6連戦が待っている。今こそ踏ん張りどころだ。【前原淳】