ロッテが、うっぷんを晴らすかのように打ちまくった。6回、5連打で一気に4点を奪い試合の流れを引き込んだ。1死一、二塁から前進守備の右中間を割った鈴木は楽々の三塁打。それなのに「なんでホームまで来ないのかって、みんなから言われて恥ずかしかったです」。勝利の立役者を冷やかす好ムードが、ベンチに戻ってきた。

 この日は不振のデスパイネがスタメンから外れた。「今のまま出続けても、どんどん悪くなる。外から見て勉強してほしい」という伊東勤監督(53)の判断だった。6回、3点を奪った後に代打起用されたデスパイネは、中前打で結果を出した。重圧の少ない場面から、復調へのきっかけをつかんだ。

 復調への工夫があった。4安打と打線をけん引した荻野は、試合前の練習で連続ティー打撃をするよう伊東監督から指示された。「たぶんキレがないように映ったのかと思う。でも、おかげで体が動いた」。6回の攻撃の口火を切った今江も「11年前にやっていた大きくタイミングを取る打ち方を試してみた」と不振から抜け出そうともがいた。2安打と結果につなげた。

 西武との激しい3位争いが続く。残りが西武より6試合多いため、自力でのCS出場を決める権利は保持する。だが、1ゲーム差の今のまま西武が全日程を終えた場合、ロッテは、6戦を5勝1敗で切り抜けなければならない。復調気配の打線を武器に、勝ち進むしかない。【竹内智信】