楽天の来季監督として梨田昌孝氏(62=日刊スポーツ評論家)の就任が最有力となっていることが23日、分かった。大久保博元監督(48)が22日に低迷の責任を取って今季限りでの退任を正式に発表。球団は後任候補を複数リストアップしており、梨田氏が最上位となっている。

 再建へ名将の力を求める。今季は主力に故障者が続出。13年の日本一から一転、2年連続最下位の危機にある。立て直しへ経験と実績と人望も確かな梨田氏がうってつけの存在だった。

 梨田氏は00年に近鉄の監督に就任。翌01年は最下位からリーグ優勝に導いた。08年からは日本ハムの監督に就任。2年目の09年にリーグ優勝を果たした。05年の球団再編で誕生した楽天のスタッフには近鉄出身者も多く、円滑なコミュニケーションが期待される。

 球団は若い人材の登用も視野に入れており、中日OBで野球評論家の与田剛氏(49)も監督候補に挙がっている。梨田氏に正式に一本化された場合は与田氏は投手コーチとして入閣する可能性が高い。

 この日、ロッテ戦が行われたQVCマリンで安部井寛チーム統括本部長(41)が取材に応じ「来季の体制について星野副会長を中心に進めていく」と現場の全権を任された星野仙一副会長(68)を筆頭に監督選定を進めるとした。近日中に星野副会長と三木谷オーナーの間で話し合いが行われ決定する見込みだ。

 ◆梨田昌孝(なしだ・まさたか)1953年(昭28)8月4日、島根県生まれ。浜田高から71年ドラフト2位で近鉄入団。79年から5年連続パ・リーグ盗塁阻止率1位の強肩捕手。ベストナイン3度、ゴールデングラブ賞4度、球宴6度出場。88年引退。通算1323試合、打率2割5分4厘、113本塁打、439打点。93年に作戦バッテリーコーチで近鉄復帰。96年から2軍監督、00年に1軍監督就任。01年に近鉄を12年ぶりのリーグ優勝へ導く。04年まで監督を続け球団消滅とともにユニホームを脱いだ。07年オフ、日本ハム監督に就任。09年にリーグ優勝。11年限りで勇退した。13年WBCでは日本代表の野手総合コーチ。