阪神坂井信也オーナー(67=電鉄本社会長)と南信男球団社長(60)が24日、緊急トップ会談を行った。議題は23日に都内のチーム宿舎で急逝した中村勝広GM亡き後の編成運営についてで、和田監督の進退問題は順位確定まで見守る方針を確認した。チームはこの日も敗れて4連敗。明日26日にも優勝が消滅し、2位も厳しくなった。このままの状況なら退任は濃厚で、新監督のリストアップに入ることになる。

 電鉄本社、球団のトップが話し合いを持った。前日23日に急逝した中村GMの対応で東京に残っていた南球団社長は正午前、あわただしく大阪に戻った。そのまま向かったのは神戸市内。そこへ電鉄本社を出発した坂井オーナーも合流した。ペナントレース終盤のこの時期、異例の緊急トップ会談だった。

 約2時間の会談で主な議題は中村GM亡き後の編成運営についてだった。これまで本社と球団の間に入っていたが、今後はすぐに代わりのGMを置くことなく、現状の組織のままで進めていくという。それに伴って、本社と球団の両トップがドラフト会議、オフの補強などについての情報を確認し合ったという。

 注目される和田監督の進退問題には基本的に話し合うことなく、優勝の可能性を残して戦い続けているチームを順位確定まで見守る方針を確認したという。

 ただ球団関係者によれば、ここまで電鉄本社、球団とも続投の目安としているのは「優勝争い」だという。前日の巨人戦で優勝がほぼ絶望的となったチームはこの日もナゴヤドームで中日に敗れて4連敗。首位と5ゲーム、2位巨人とも3ゲームと突き放され、CS本拠地開催圏内の2位も厳しい。3位も安泰ではなく、今日からの広島との直接対決次第ではBクラス転落の可能性もある。別の関係者によれば、ここから全勝するなどよほどの快進撃がない限り、和田監督の今季限りでの退任は濃厚で、そうなれば新監督のリストアップ作業に入るという。

 そうなった場合、新監督候補として考えられるのは昨年も候補となった実績抜群のカリスマOB金本知憲氏、さらに、05年に監督としてリーグ優勝に導いた経験のある岡田彰布氏、また黄金時代の正捕手として活躍した矢野燿大氏、さらには外部招へい、もしくは現コーチングスタッフからの内部昇格など幅広く検討されることになりそうだ。

 3年連続で繰り返される9月の急失速、勝負どころでの弱さ。猛虎に「改革」の時が迫ってきた。