世界一を目指す侍ジャパンが投打にわたり、強敵韓国を圧倒し白星発進した。2回に平田良介(中日=27)の適時打などで2点を先制。5回にも平田の適時打、6回には坂本勇人(巨人=26)の本塁打、8回には山田哲人(ヤクルト=23)の適時打で着実にリードを広げた。投げては先発大谷翔平(日本ハム=21)が6回を2安打無失点、10奪三振の好投。7、8回を則本昂大(楽天=24)、9回を松井裕樹(楽天=19)が無失点に抑えた。

 侍ジャパンの次戦は11日、メキシコと対戦する。



チーム
韓 国
日 本×

【日】大谷、則本、松井

【韓】金広鉉、曺尚佑、車雨燦、鄭ウラム、趙茂根

日本対韓国 最後を締め、ナインと笑顔でハイタッチの松井(中央)(撮影・井上学)
日本対韓国 最後を締め、ナインと笑顔でハイタッチの松井(中央)(撮影・井上学)

【1回表】

日本先発は大谷。先頭の李容圭を二ゴロ、2番鄭根宇は詰まらせて遊飛。3番金賢洙の2球目に161キロを計測し、最後はフォークで空振り三振。上々の立ち上がりを見せる。

1回表韓国2死、金賢洙に161キロの速球を投げる大谷(撮影・たえ見朱実)
1回表韓国2死、金賢洙に161キロの速球を投げる大谷(撮影・たえ見朱実)

【1回裏】

韓国先発の左腕金広鉉に対し1番秋山は空振り三振。2番坂本が四球で出塁。3番山田は見逃し三振に倒れる。4番中村剛が中前に弾き返し2死一、三塁とチャンスを迎えるが、5番筒香は二ゴロに倒れ先制ならず。

韓国先発の金広鉉(撮影・黒川智章)
韓国先発の金広鉉(撮影・黒川智章)
1回裏日本2死一塁、中前安打を放つ中村剛(撮影・たえ見朱実)
1回裏日本2死一塁、中前安打を放つ中村剛(撮影・たえ見朱実)

【2回表】

大谷は4番李大浩に対しフォークで空振り三振。5番朴炳鎬はフォークを打たせて二ゴロ。6番孫児葉にはフルカウントから四球を与えるが、7番許敬民は157キロ直球で空振り三振。


平田が幸運適時打で先制!

【2回裏】

先頭の6番中田が振り逃げで出塁、7番松田が右前打で続き無死一、二塁のチャンス。8番平田の打球はボテボテのゴロだったが、三塁手が捕球する寸前でベースに当たりコースが変わるラッキーな二塁打となり、中田が生還し先制。なおも無死二、三塁で9番嶋は二ゴロに倒れるが、1番秋山が歩き満塁に。2番坂本の右犠飛で松田が生還し2点目を挙げる。なおも一、三塁とチャンスが続いたが、3番山田の打席で一塁走者の坂本が飛び出し、最後は本塁を狙った三塁走者平田がタッチアウトとなり追加点はならず。

2回裏日本無死一、二塁、生還した中田(中央)はナインの出迎えを受ける(撮影・井上学)
2回裏日本無死一、二塁、生還した中田(中央)はナインの出迎えを受ける(撮影・井上学)
2回裏日本1死満塁、坂本の右犠飛で三塁走者松田が生還(撮影・井上学)
2回裏日本1死満塁、坂本の右犠飛で三塁走者松田が生還(撮影・井上学)

【3回表】

大谷は8番姜珉鎬をフォークで見逃し三振。9番金宰鎬を二ゴロに抑えると、1番李容圭をフォークで見逃し三振に仕留める。


【3回裏】

3番山田は三ゴロ。4番中村剛は左前打で出塁。5番筒香は初球を叩き、鋭い打球も一直に倒れるが、6番中田が中前に弾き返し2死一、三塁とする。韓国はたまらず宣銅烈投手コーチがマウンドへ向かい、金広鉉から2番手の右腕曺尚佑にスイッチ。7番松田が歩き満塁とするが、8番平田は空振り三振に倒れ追加点ならず。


大谷好投続く、李大浩を併殺斬り

【4回表】

大谷は2番鄭根宇を中飛。3番金賢洙に一、二塁間を破られ韓国に安打を許すが、続く4番李大浩を二ゴロ併殺に仕留める。


【4回裏】

先頭の9番嶋が中前に弾き返し出塁。韓国はここで3番手左腕車雨燦にスイッチ。続く1番秋山がきっちり投前に送り1死二塁とするが、2番坂本が二飛、3番山田も二ゴロに倒れる。


大谷圧巻の3者連続三振

【5回表】

大谷は先頭の5番朴炳鎬に対し、一塁後方にポトリと落とされ二塁打とされる。続く6番孫児葉にはストレートの四球を与え無死一、二塁のピンチ。バントの構えの7番許敬民には力のこもった直球を2球続けフェアゾーンに打たせず、最後は空振り三振に。8番姜珉鎬も空振り三振に仕留めると大きく吠える。9番の代打羅成範は見逃しの三球三振。ピンチの場面で狙って3者連続三振を奪い、グラブを叩く。

5回表韓国1死一、二塁、姜珉鎬を三振に打ち取り雄たけびを上げる大谷(撮影・井上学)
5回表韓国1死一、二塁、姜珉鎬を三振に打ち取り雄たけびを上げる大谷(撮影・井上学)

平田適時打で追加点

【5回裏】

韓国は代打の羅成範に代わり、9番に金相竪が入り遊撃。4番中村剛の左翼への大飛球はフェンス手前でキャッチされる。5番筒香は一ゴロに倒れるが、6番中田が三遊間を破り出塁すると、7番松田も四球で続き2死一、二塁。チャンスで打席に入った8番平田が一、二塁間を破る適時打で日本に大きな3点目が入る。


【6回表】

大谷の好投は続く。1番李容圭を遊ゴロ、2番鄭根宇は155キロ直球で見逃し三振、3番金賢洙はスライダーで見逃し三振。奪った三振は10個に到達。


坂本弾で侍ジャパン4点目

【6回裏】

韓国は4番手左腕鄭ウラムにスイッチ。先頭の1番秋山は二ゴロに倒れるが、2番坂本が左翼席に飛距離文句なしの大会1号本塁打で4点目。3番山田は遊飛、4番中村剛は一邪飛に倒れる。

6回裏1死、左越え本塁打を放つ坂本。奥左端は小久保監督(撮影・野上伸悟)
6回裏1死、左越え本塁打を放つ坂本。奥左端は小久保監督(撮影・野上伸悟)

【7回表】

大谷に代わり、2番手則本(楽天)がマウンドへ。則本は先頭の4番李大浩、5番朴炳鎬をいずれも直球で空振り三振。6番孫児葉を遊ゴロに仕留める。

7回表に三振を喫し悔しがる李大浩(右から2人目)(撮影・井上学)
7回表に三振を喫し悔しがる李大浩(右から2人目)(撮影・井上学)
日本対韓国 7回表韓国の攻撃を3人で仕留め、グラブで拍手する則本(撮影・浅見桂子)
日本対韓国 7回表韓国の攻撃を3人で仕留め、グラブで拍手する則本(撮影・浅見桂子)

【7回裏】

先頭の5番筒香は投ゴロ。韓国はここで5番手右腕趙茂根にスイッチ。6番中田は空振り三振に倒れるが、7番松田は右翼へ二塁打。8番平田の初球を捕手が弾いた隙に松田が三塁を陥れチャンスが拡大するが、平田は三ゴロに倒れる。


【8回表】

日本は5番筒香に代わり中村晃(ソフトバンク)が入り右翼、8番平田が左翼に。則本は先頭の7番代打呉載元に中前へ運ばれる。8番姜珉鎬を一邪飛に仕留めるが、9番金相竪に三遊間を破られ一、二塁。ピンチの場面で1番李容圭のセンターを抜けようかというライナー性の打球を遊撃坂本が横っ飛びで好捕し得点を許さず。2番鄭根宇に四球を与え満塁とされるが、3番金賢洙をフォーク2球で追い込み、最後は渾身の152キロ高め直球で空振り三振を奪う。

日本対韓国 8回表韓国1死一、二塁、日本坂本は李容圭の打球を好捕する。右は二塁走者の呉載元(撮影・小沢裕)
日本対韓国 8回表韓国1死一、二塁、日本坂本は李容圭の打球を好捕する。右は二塁走者の呉載元(撮影・小沢裕)

山田も適時打、侍ジャパン5点目

【8回裏】

先頭の9番嶋は空振り三振、1番秋山は一直に倒れるが2番坂本が中前打で出塁すると、3番山田が三塁線を破る二塁打を放ち、坂本が一気に生還。5点目を奪う。4番中村剛は右飛に倒れる。


【9回表】

日本は3番手松井(楽天)が登板。先頭の4番李大浩、5番朴炳鎬、6番孫児葉に3連打を許し無死満塁とされるが、7番黄載鈞を空振り三振、8番梁義智を遊飛、9番金相竪を一邪飛に抑え無失点リレーを完成。侍ジャパンが韓国を圧倒し白星発進した。

日本対韓国 日本3番手で登板した松井(撮影・小沢裕)
日本対韓国 日本3番手で登板した松井(撮影・小沢裕)

<日本スタメン>

(中)秋山翔吾(西武)

(遊)坂本勇人(巨人)

(二)山田哲人(ヤクルト)

(指)中村剛也(西武)

(左)筒香嘉智(DeNA)

(一)中田翔(日本ハム)

(三)松田宣浩(ソフトバンク)

(右)平田良介(中日)

(捕)嶋基宏(楽天)

先発投手 大谷翔平(日本ハム)


<韓国スタメン>

(中)李容圭

(二)鄭根宇

(左)金賢洙

(指)李大浩

(一)朴炳鎬

(右)孫児葉

(三)許敬民

(捕)姜珉鎬

(遊)金宰鎬

先発投手 金広鉉

試合前練習中、談笑する稲葉篤紀コーチ(左)と李大浩(撮影・浅見桂子)
試合前練習中、談笑する稲葉篤紀コーチ(左)と李大浩(撮影・浅見桂子)

<日本メンバー>

<投手>

松井裕樹(楽天=19)

菅野智之(巨人=25)

則本昂大(楽天=24)

沢村拓一(巨人=27)

大谷翔平(日本ハム=21)

前田健太(広島=27)

増井浩俊(日本ハム=31)

西勇輝(オリックス=24)

大野雄大(中日=27)

山崎康晃(DeNA=23)

小川泰弘(ヤクルト=25)

武田翔太(ソフトバンク=22)

牧田和久(西武=30)

<捕手>

炭谷銀仁朗(西武=28)

嶋基宏(楽天=30)

中村悠平(ヤクルト=25)

<内野手>

今宮健太(ソフトバンク=24)

松田宣浩(ソフトバンク=32)

川端慎吾(ヤクルト=27)

坂本勇人(巨人=26)

中島卓也(日本ハム=24)

中田翔(日本ハム=26)

山田哲人(ヤクルト=23)

中村剛也(西武=32)

<外野手>

中村晃(ソフトバンク=25)

平田良介(中日=27)

筒香嘉智(DeNA=23)

秋山翔吾(西武=27)


【プレミア12メモ】

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催で新設された国際大会で、4年に1度開催。世界ランク上位12チームが出場する。1次ラウンドは6チームずつ2組に分かれ、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。

【主な大会規定】

 ◆1次ラウンドは6チームがA、B各組に分かれ、総当たりで対戦。上位4チームずつが決勝トーナメントに進む。A組はキューバ(WBSCランク3位)、台湾(4位)、オランダ(5位)、カナダ(7位)、プエルトリコ(9位)、イタリア(11位)。B組は日本(1位)の他、米国(2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)。

 指名打者制を採用し、球数制限はなし。コールドは5回15点差、7回10点差以上で適用し、準決勝、決勝では適用しない。延長10回以降は無死一、二塁からタイブレーク制。使用球はミズノ社製(NPB統一球)