来季から育成選手として再出発するヤクルト由規投手(25)が今日12日、埼玉・戸田寮で育成選手としての再契約を結ぶ。11日、埼玉・戸田球場での練習後に現在の胸の内を明かした。

 由規 周りで(クビを)切られている人を見てきて。大好きな野球をやりたくても、やれない…。そんな恐怖も感じた。自分はチャンスをもらったと、意気に感じてやるしかない。

 育成契約を断ることもできた。その中で背番号「11」を脱ぐことを決意。ヤクルトで再度、支配下登録を目指すことは当然のことだった。「球団やファンにはこんなに待ってもらっている。恩があるし、それ以上にもう1度、神宮で投げたいんです」と、言葉に力を込めた。

 何が何でもはい上がる。「先発なのか、リリーフなのか分からないけど、どこでも投げます。僕には選べる権利はない」。投げるスタミナをつけるため、中1日でブルペン入り。100球程度を投げ込み、下地を作っている。「抑えられればそれでいい。150キロを投げる人はなんぼでもいる」。かつて剛腕とささやかれた過去など、振り返っていられない。

 3年ぶりに春季キャンプを1軍で迎えた今季は、オープン戦にも2試合登板。復活を予期させたが、1軍登板はゼロに終わった。「自分自身、今年は投げられるという楽しみがあった中、優勝の輪の中に入れなかったことに悔しさしかない。もう待ってはくれない」と言った。強い覚悟と決意を持って来季に向かう。【栗田尚樹】