甲子園球場で19日に行われた阪神中村勝広GM(享年66)の「お別れの会」に参列した同球団OBの江夏豊氏(67)が、来年2月に安芸2軍キャンプで指導することを認め、掛布2軍監督とタッグ結成のいきさつを明かした。

 「もし、カツ(中村GM)がおれば、カツと掛布の2人から要請されたと思うけど、今回はカケからの強い命令口調で要請されたから(笑い)」

 今年2月は中村GMから請われて、1軍宜野座キャンプで指導していた。来年は現役時代にともに戦った掛布2軍監督をサポート。短期間になる方向だが、若手に手を差し伸べる。自ら「この何年か、ずっと伸び悩んでいる秋山とか、僕自身は興味を持っている。技術的かメンタルの部分か。ちょっと時間をかけて見てみないとね」と指摘した。

 今季3試合登板で勝ち星なしの秋山だけではない。2月に高評価し、自らのグラブをプレゼントした島本は今年、初めて1軍で投げた。「もう少し、いい球を放れると思う」と眼光は鋭い。榎田、岩貞、横山ら後輩左腕が伸び悩んでおり、通算206勝レフティーは格好の手本になるだろう。

 「カツに乗せられて、何十年ぶりかにグラウンドに立って、そのカツがオレより先に天国に行ってしまうんだから…。寂しいよな」。中村GMの無念さを胸に刻み、後輩の強化に心を込める。【酒井俊作】