復活への筋道が見えた-。中日岩瀬仁紀投手(41)が27日、ナゴヤ球場で自主トレ。左肘故障で今季登板なしに終わり、悩みながら現役続行を決めた通算402セーブ左腕は「これだったら来年投げられる、というのはつかんだ」と明るい表情で近況を語った。

 シーズン中は左肘の調子がどうしても上がらず、一進一退を繰り返した。9月に現役続行を決めた際、「そこまでには結果が出てるでしょ。投げられなければやめるでしょうし」と、来春キャンプでも投げられるメドが立たなかったら、そのまま引退という厳しい条件を自らに突きつけた。

 その心配はほぼ解消されたようだ。9月から状態は良化の一途。本格的なブルペン投球を再開して2カ月がたった。自主トレ先の鳥取でも力を入れた投球を続けた。「あとはどう立ち上げるかだけですね」。来春に向けていったん運動量を落とし、また仕上げていく。

 岩瀬にはスタートラインに過ぎない。守護神の座も福谷や田島のほか、獲得を目指すドミニカ共和国出身の160キロ右腕ハイメらが狙う。春から高いパフォーマンスを示す必要がある。

 守護神不在に苦しんだチームにとって明るいニュース。谷繁監督は岩瀬の経験値、技術に大きな期待をかけている。また高橋聡が阪神にFA移籍したこともあり「左」の岩瀬の復活ほど心強いことはない。チーム最年長になったかつての絶対的ストッパーが自信を胸に勝負の1年を迎える。【柏原誠】